深夜に静けさを破る、暴走族のバイクの爆音としつこい程に響くクラクションは本当に大迷惑で、または道を走っている時に、ジグザグに走ってくるバイクに危険を感じた人もいるでしょう。
昔はカミナリ族やローリング族と呼ばれたように、暴走族の暴走行為はいつの時代も人々を悩ませてきました。
共同危険行為と呼ばれる、複数のバイクやクルマによる暴走族の暴走行為と騒音には、指をくわえて見ているしかないのでしょうか?
夏になると増える傾向のある、共同危険行為に対処する方法を知っておきましょう。
暴走族による被害は、自分で立証する必要がなくなった
共同危険行為は、以前は暴走行為によって迷惑を被った人や、危険な目に遭った人がいることを立証しない限り、暴走族が罰せられることはなかったのです。
一般の人が共同危険行為に対する被害を立証することは、大変な手間と時間がかかります。
暴走族にとっては「やり得」で、沿道の住民は迷惑行為や騒音にじっと耐えるしかありませんでした。
そこで道路交通法が改正され、共同危険行為自体が罰則の対象となり、迷惑を被った人や危険な目に遭った人がいることを立証する必要は無くなりました。
暴走族に泣き寝入りする必要はないのです。
暴走行為は容赦なく罰せられる
改正道路交通法により、共同危険行為には2年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されることになりました。
一発で免許取り消しとなるばかりか、免許の欠格期間も最低2年に延長されました。
被害者がいなくても罰則の対象となるので、人のいない静かな場所で暴走行為をすることももちろんダメです。
暴走行為は反則金制度の対象外なので、刑罰を受けて前科がつくことになります。
暴走行為を行っている者の周りに集まって拍手をしたり、旗を振ったりヤジを飛ばすなどの、暴走族をあおるような行為も罰則の対象となるので、絶対にしてはいけません。
一台だけの暴走行為も罰せられる
共同危険行為は、「複数の自動車や原動機付自転車で周囲の交通を妨害する」行為なので、一台だけの暴走行為の場合は共同危険行為とはなりません。この盲点を突いて一台だけで道路上をジグザグ走行するような輩もいます。
しかし、単独の暴走行為は「著しい交通の危険を生じさせる」「他人に迷惑を及ぼす」行為であり、全てのドライバーに科せられた安全運転義務から著しく逸脱していることから、安全運転義務違反に問われます。
都道府県の公安委員会は免許取り消し、免許停止の処分を点数に関係なく下すことができるので、一台だけの暴走行為も罰則の対象となるのです。
まとめ
- 共同危険行為は、行為自体が罰則の対象となり、被害に遭ったことや迷惑を被ったことを自分自身で立証する必要はない。
- 共同危険行為に対する罰則はより厳しくなり、懲役の期間も長くなり罰金の額も大きくなった。
- 暴走族の共同危険行為をあおるような行為も、罰則の対象となる。また、暴走族に勧誘する行為も罰則の対象となる。