車のエンジンには、タイミングベルトというパーツがあります。とても大事なパーツですが、実は何の前兆もなく切れるのです。
タイミングベルトが切れると、最悪の場合エンジンがダメになってしまいます。
なぜタイミングベルトは、前兆もなく切れるのか、その原因と、タイミングベルトが切れるのを防ぐ運転のコツはあるか、ということを解説します。
エンジンが大ダメージを負う前に、知っておきましょう。
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タイミングベルトとはどんなパーツなのか?
タイミングベルトとは、エンジンのクランクシャフトと、吸気バルブを開閉するカムシャフトを連動させ、エンジンの吸排気を行うタイミングを調節するので、タイミングベルトと呼ばれています。
吸排気のタイミングがずれると、エンジンが不完全燃焼を起こすので、とても重要なパーツです。
走行中にタイミングベルトが切れると、吸気バルブが開閉しなくなり、エンジンが止まるばかりか、最悪の場合はピストンとバルブがぶつかり合い、エンジンがダメになってしまいます。
タイミングベルトが切れる原因
エンジンのオーバーヒートで、タイミングベルトが劣化するほか、エンジンオイルの劣化で、潤滑が十分でなくなり、ベルトに過大な力がかかる、またはテンショナーがスムーズに回らなくなって、タイミングベルトが損傷して切れることがあります。
テンショナーが回らないとき、前兆として「シャー」という音が聞こえるときがありますが、車に詳しくない人にはわかりません。
また、「シャー」という音が必ず聞こえるとは限らず、だいたいは突然切れるので、適切な時期に交換することと、切れない運転のコツを研究するしかありません。
タイミングベルトの交換時期と費用
走行距離8万~10万キロが、適切な交換の時期ですが、整備に持ち込まれるおよそ7割の車は、7万キロでタイミングベルトが切れています。
走行距離にこだわらずに、まめに点検を行いましょう。
タイミングベルトの交換は、車種によってはエンジンをおろす必要がありますが、目安としては3万5千円くらいでできます。
タイミングベルトが切れると、ピストンとバルブがぶつかりあってエンジンの内部が激しく損傷するので、20万円くらいかかってしまいます。
タイミングベルトが切れるとどうなるか?
だいたいのケースは、切れた瞬間にシリンダーヘッドが高速でぶつかり合い、手の施しようがありません。
ゆっくり走っていたときに切れれば、バルブの交換だけで済む場合もありますが、高速道路で切れると、内部はめちゃめちゃになります。
最悪の場合、コンロッドがシリンダー壁を突き抜けてガソリンとオイルが飛び散り、車の後部から火を噴き、ボンネットを開けた瞬間に火の手が上がります。前兆はほとんどありません。
ファンベルトは切れても運転に支障が出るだけで、致命的なトラブルにはなりませんが、タイミングベルトは定期点検と、適切な時期の交換が大事なのです。
タイミングベルトが切れない走り方
残念ですが、タイミングベルトはどんなに注意していても、前兆もなく切れるときは切れるので、運転の仕方がタイミングベルトに与える影響は、0.1パーセントもないといわれています。
タイミングベルトを適切な時期に交換することのほかには、オイルとクーラントを交換しましょう。
運転が与える影響はほとんどありませんが、走り方の重要なコツは、急発進または急ブレーキを避けることです。
最近は、切れない前提でつくられているタイミングチェーンが脚光を浴びているので、タイミングチェーンの普及が待ち望まれます。
まとめ
たとえは少し違うかもしれませんが、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれています。肝臓の病気は自覚症状がないからです。
タイミングベルトは、何の前兆もなく切れる点で、肝臓の病気と似ています。
日頃の点検と、急発進または急ブレーキを避ける走り方が重要です。