車の12ヶ月点検を受けていますか?
「12ヶ月点検の時期が近づきました」というハガキが来ても放置している人は多く、実は半数から6割もの人が受けていないのが実情。
車の12ヶ月点検を受けないと違反となり、「車検を通せません」なんていわれないのでしょうか?
減点や罰金がないのかも不安ですね。
さらに法定点検と車検の違いがよく分からないという人も多いでしょう。
かなりの人が12ヶ月点検を受けていないのなら、車検を通していれば問題ないのでは?という疑問が湧くかもしれません。
万一12ヶ月点検を忘れるとどうなるのか、法定点検と車検の違いと合わせて正しい知識を身につけてください。
法定点検の基礎知識
法定点検と車検は同じようで異なります。
法定点検は12ヶ月ごとで、車検は自家用車の場合1年おきに受ける必要がありますが、走行距離は関係ありません。あくまで時期の到来によるのです。
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法定点検とは
法定点検とは文字通り「法律で定められた点検」で、道路運送車両法 第四十八条に規定され、車を運転する人は点検を受けなければなりません。
マイカーの場合は毎年受ける12ヶ月点検と1年おきに受ける24ヶ月点検があり、点検項目はそれぞれで異なります。
バスやタクシーまたはトラックなどの事業用車は、別に3ヶ月及び6ヶ月点検が定められていますが、かなりの走行距離を走るのでマイカーよりもメンテナンスのスパンが短いのです。
法定点検の種類を確認
自家用車(軽自動車を含む)は車内・エンジンルーム・下周り・外周り・足周りやブレーキがしっかり効いているかなど、車が安全かつ快適に走るポイントについて、26項目を点検します。
24ヶ月点検は12か月点検から更に1年経過しているので、走行距離の増加を加味して項目が増え、56項目を点検します。
例えばブレーキは、12ヶ月点検ではディスクとパッドとのすき間、及びパッドの摩耗について点検しますが、24ヶ月点検ではディスクの摩耗または損傷が加わるのです。
法定点検と車検の違い
法定12ヶ月点検は毎年26項目、24か月点検は2年ごとに56項目を点検します。
法定点検と車検は一見同じようですが、実際は相当違います。
法定点検とは車が故障やトラブルを起こさず、安全かつ快適に走れるようメンテナンスを行うことが目的です。
車検とは道路運送車両法に定められる保安基準に基づき、車の構造や装置が基準に合っているか検査するもので、安全のための点検ではありません。
従って車検を通した次の日、車が故障する可能性すらあるのです。
法定点検と車検が混同されやすいのは、24ヶ月点検は結果的に車検と重なることが多いからでしょう。
法定点検は義務?実施しないと罰則はある?
法定点検は法令で定められているので受ける義務がありますが、12か月及び24ヶ月点検は受けなくても違反ではなく、罰則もありません。
「どうして!?」と思えますが、罰則規定がないので処罰しようがないのです。
しかし車検は受けないと公道を走れず、一発免停と厳しい処分が科されます。
12か月点検に罰則が無いのは車検と違い、自賠責保険の更新や重量税の納付など、諸手続きがないからなのです。
法定点検の重要性は?メリットはある?
法定点検は勿論メリットがあります。点検を受けるとオイル交換無料などのサービスは大きいですね。
また万一点検個所にトラブルが起きても、ドライバーに過失が無ければメーカー保証が受けられます。
仮に整備不良で事故が起きても、ドライバーの責任が問われる可能性は低いでしょう。
他には定期点検を受けた項目を整備手帳に記載すれば、下取りや売却の際に査定が高くなりやすいですね。
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メーカー保証が関係してくる
車には新車購入の際に3年5万キロや5年10万キロなど、メーカーが付けている保証があります。
法定12ヶ月点検を受けない間にトラブルが起きると、メーカーの保証期間内でも保証されず、整備料金が有償になる可能性があるでしょう。
トラブルの度合いにもよりますが、保証の範囲なら整備料金の負担なく修理してもらえます。
新車から5年以内なら点検に出した方が良いですね。
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長期的に良好な状態を維持しやすい
12ヶ月点検ではエンジンルームや足回り、ボディの下回りなどかなり細かい所まで分解整備されます。
早い段階で不具合や交換すべき部品の発見が出来ます。
車はどこか1つでもが悪くなると、周囲に負担がかかり不具合があちらこちらに波及するので、早く不調が見つかればベストコンディションを長く維持でき、車検も安く済むのです。
売却するときのプラス査定
法定点検を受けていると、愛車に対してしっかりメンテナンスしている証しになります。
しっかりメンテナンスされた車は、売却する時に査定額がプラスになる可能性も。
ただ査定がプラスになるかどうかは、買取りを依頼する業者次第です。
きちんと点検を受けているなら、整備手帳を見せれば交渉の余地はあるでしょう。
法定12ヶ月点検の検査項目
法定12ヶ月点検は車が安全に法定点検とは車が故障やトラブルを起こさず、安全かつ快適に走れるよう細かく分解整備や部品交換を行います。
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かじ取り装置(ステアリング)
ハンドルやステアリングなど進行方向を操作する装置のことで、パワーステアリングやギアヴォックスなどが該当します。
かじ取り装置に不具合があると、運転中に致命的な事故が発生する可能性が大きくなりますね。
またベルトの緩みや傷の有無もチェックします。
ベルトが破損していると突然操作不良が起きたり、車が動かなくなったりするのでしっかり点検する個所です。
制動装置(ブレーキ)
制動装置とはブレーキ関係の個所のことを指します。
ブレーキを踏んだら車はしっかり停まるか、ブレーキ回り損傷がないかチェックします。
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- ブレーキペダルの遊びや踏み込んだ時にの床との間隔
- ホースやパイプの漏れや損傷の有無
- ブレーキディスクやブレーキパッドの摩耗
- ディスクとパッドの隙間
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制動装置は車の安全にかかわるので、しっかり分解整備を行うのです。
ブレーキパッドの交換費用については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
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走行装置
走行装置とは、主にタイヤやホイールなど、車の走行に関係する部分。
溝が減って走行に支障がないか等タイヤの状態と、ホイールナットやボルトのゆるみを点検します。
走行中にタイヤが外れると自車だけでなく、他車も巻き込む大事故が起きるので、やはり念入りに点検します。
動力伝達装置
エンジンのパワーを車輪などの駆動部分に伝える場所が動力伝達装置です。
クラッチやトランスミッション、プロペラシャフト部分を分解整備します。
クラッチペダルの遊びや、切れたとき床板との隙間の量、動力伝達装置の油漏れや緩みなどもチェックし、不具合があると部品交換します。
車の心臓部なので、特に重要な点検個所ですね。
電気装置
電気装置は点火プラグやバッテリー、電気配線などの部分です。
主に点火装置であるプラグそのものの点検と点火時期のチェック、ディストリビューターキャップの状態及び、バッテリーの接続状態を点検します。
他にはバッテリーが劣化していないか、電気配線の接続部に緩みや損傷が無いかもチェックします。
バッテリーは普段の運行前点検でも注意しておきたいですね。
エンジン
エンジン関係として、排気及びエレメントの状況や潤滑部分のオイル漏れ、または冷却装置を駆動するファンベルトの緩みや損傷、水漏れの有無を点検します。
原動機の冷却部分が壊れるとオーバーヒートが起きるので、法定点検以外に運行前点検での冷却水のチェックも大切です。
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- エンジン本体の排気の状態
- エアクリーナーやオイルエレメントの状態
- オイル漏れの有無とオイル交換
- 冷却装置やファンベルトの緩み
- エンジンの損傷や水漏れの有無
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エキゾースト・パイプ、マフラー
エグゾーストパイプとは、エンジンから出る排気ガスをマフラーに送る排気管のこと。
排気効率の調整といった役割を担い、マフラーは排気ガスを車外に排出します。
排気に関する箇所なので、取り付けの緩みや損傷状況を点検します。
効率的な排気を行い、かつ車内に充満しないよう点検するのです。
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12ヶ月点検の費用
12ヶ月点検の整備料金は排気量により異なります。
また点検に出した時の状態や地域性にもよるので、一般的な相場として参考にしてください。
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ディーラー
ディーラー系で12か月点検を受ける場合の相場を示します。
但し車両や地域、整備の度合いによっても異なるので、事前に整備料金の見積もりを依頼しましょう。
車両 | 整備料金 |
軽自動車 | 9,000円~15,000円程度 |
排気量1000~1500ccクラス | 10,000円~16,000円程度 |
排気量1800~2000ccクラス | 10,000円~17,000円程度 |
排気量2000cc~3000ccクラス | 11,000円~20,000円程度 |
3000cc~ | 12,000円~26,000円程度 |
地域によっては軽自動車で8,000円台のところもあるので、メーカー同士というよりも地域差の方が大きいようですね。
整備工場
一般的に整備料金は6,000円~20,000円くらいで、ディーラーよりは安く済む傾向があります。
工場の技術力によっては、ディーラーより安く信頼性の高い点検ができ、地域密着なので要望の融通も効きやすいでしょう。
言い換えれば工場によって技術の差が大きいのも現状ですが、素人が確認するのは困難です。
評判は事前に確認した方が良いでしょう。
ガソリンスタンド
点検にかかる料金は7,000円~15,000円くらいで済み、街中あちこちに存在するのでいつどこても点検を受けられます。
ただ点検設備や整備士の数が十分でない所が多く、急な点検には対応困難で技術力に問題があるスタンドも散見されます。
カー用品店など
費用は5,000円から15,000円くらいで、ディーラーと同等の点検を低めの値段で受けられます。
指定工場を探すのに時間がかかるのはデメリットですが、ディーラーより低コストで済むので、検討する価値は大きいでしょう。
軽自動車の点検費用はどれくらい?
軽自動車の点検費用は9,000円から14,000円くらいですが、場所によっては8,000円くらいで済み、地域差が大きい現状があります。
点検は自分でやってもOK?
12ヶ月点検は自分自身で施しても違反ではありません。
また自分で行うために資格を取得する必要もないのです。
ただ不具合を見極められる知識と技術に加え、整備手帳の正しい書き方も知る必要があります。
不安な状態で点検するくらいなら、専門家に任せた方が安心でしょう。
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法定点検の疑問
法定点検を受けないとどうなるか、色々な疑問が湧いてきます。
保証が受けられなくなるか、罰則は無いかなど、よくある疑問をまとめてみました。
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法定点検していないと保証が受けれない?
ディーラーで法定点検を受けないと、万一の時に保証が無いと言われますが、そんなことはありません。
点検をしていなくとも、パーツ自体の不具合で故障が発生すれば、保証期間内なら無償で保証が受けられます。
しかし定期点検を受けてもドライバー自身の管理の問題や、乗り方による故障が起きれば保証期間内でも整備料金は有償に。
営業マンによっては紛らわしい案内をすることがあるので、よく確認しましょう。
12ヶ月点検を忘れた!どうしたらいい?
12ヶ月または24ヶ月点検は車検ではないので、明確な期限はありません。
万一「期限」を過ぎても罰則は無く、違反にもならないのです。
ディーラーや販売店の一部では「期日」までに定期点検を受ければ、割引等何等かのサービスがありますが、期限を過ぎると適用されない場合があります。
法定12ヶ月点検にかかる時間や日数は?
点検に要する時間は、整備が必要な個所にもよりますが1時間~1時間半程度みておきましょう。
筆者が点検を受けるディーラーは、終了後に洗車してくれるので大体1時間半くらいで終わります。
予約なしで持ち込むと余計な待ち時間がかかるので、予約していくと良いですね。
法定点検っていつからいつまでの期間にやればいいの?
ディーラーから来る12か月点検の通知には一応の期限が書かれていますが、期日を過ぎたから「違反」ということはないのです。
しかし12か月点検を「18か月後」に受けると、時期の経過による車の状態を確認する目的から逸脱しますね。
点検時期から30日後くらいまで受けると良いでしょう。
但し車検は期限までに受けないと違反となり、公道を走ることはできません。
中古車はどこで点検してもらうの?
中古車の点検はディーラーでも受けられます。
また専門の修理工場やガソリンスタンドなど、色々なところで点検できます。
最近はフランチャイズの車検専門店のテレビCMをよく見まかけますよね。
価格も低めですが基本的に持ち込みが必要です。
点検整備は専門の業者が行い、書類を自分で用意して陸運局に持ち込むユーザー車検なら、専門知識や整備手帳の正しい書き方が必要ですが、費用が格安に抑えられます。
自分のニーズで選ぶと良いでしょう。
自分で点検した場合のシールはどうすればいい?
法定点検を行った車はフロントガラスの助手席側の上隅に、丸いダイヤルステッカーを貼ります。
ダイヤルステッカーとは通称で正式には点検整備済ステッカーといい、整備を行った工場と次回の点検時期を示しています。
国の認証を受けた整備工場で法定点検を受けた場合に限られ、自分で行った場合はダイヤルステッカーを貼ることができません。
点検整備済ステッカーは貼り付けの義務はありませんが、専門家がしっかりメンテナンスを行い、安全であることを示す証といえるでしょう。
3ヶ月点検とか6ヶ月点検とかって何?
3ヶ月または6ヶ月点検はバスやトラック、レンタカーなどの事業用車両に義務付けられています。
特に高速バスやトラックはかなり走行距離を走るので、自家用車より短いスパンでメンテナンスを行うのです。
またロングボディゆえ事故の際は被害も大きくなりがちなので、乗用車とは法定点検の項目が異なります。
多くの乗客や荷物を運ぶので、安全性・社会性からも理にかなっていると言えるでしょう。
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法定点検を受けて整備費用を抑えよう
法定点検を受けないと、義務とされているのに罰則がないのは変ですが、車は長い距離を走るので1年経つと徐々に劣化が進行します。
車検は整備や部品交換などを行わないので、12ヶ月点検を受けないのは危険なのです。
定期的に点検を受けていれば車の状態を長くよく保て、次の車検で交換する部品が減って費用が抑えられます。
点検を受けるお金がもったいないならばせめて運行前点検を行い、異常があればすぐに整備工場などで見てもらうことで整備費用を抑えましょう。
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