ほんの少し前まで動いていた車のエンジンがかからなくなった…。いわゆる始動不良といわれるエンジントラブル。
突然、エンジンがかからなくなり動いてくれないと困りますよね。
バッテリー上がりのエンジン不動はもちろんですが、現代の車は電子制御によって動いているので、始動不良に至る原因は複雑化しています。
そんなエンジンの始動不良に陥った時にすべきことは何なのでしょうか。
この記事では対処方法も併せて解説していきます。
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車のエンジンがかからない原因を落ち着いて探る
正常に動いていた車のエンジンが突然かからなくなると慌ててしまいがち。
でもロードサービスや修理業者を呼ぶのは少し待ってください。
実はエンジンがかからない現象は、その場で何とかなることが多いのです。
エンジンがかからない原因
シフトポジションの確認
車のエンジンは、ギアが接続されていないニュートラルの状態でなければ、セルモーターが回らないようになっています。
MT車であればクラッチペダルを踏み込まなければいけませんし、AT車の場合はブレーキペダルを踏むと同時にシフトレバーがPレンジもしくはNレンジでなければならないのです。
以前は車のキーはPレンジでなければ抜けないようになっていましたが、最近は電子キーが主流。
シフトポジションとキーが物理的に切り離されたので、シフトポジションの勘違いというのが発生しやすくなっています。
ハンドルロックの確認
ハンドルロックはステアリングロックともいわれる盗難防止装置で、エンジンがかからなくなる原因の一つ。
通常であれば特に問題なくセルモーターを回せるはずなのですが、稀にこのハンドルロックの噛み合いが強く、キーと干渉してセルモーターのスタートの位置まで回らない、電子キーの場合でもエンジンはかからない…となるのです。
ハンドルロックが干渉していても、ハンドルはほんの少しだけですが左右に回せます。
少し回すだけでハンドルロックの干渉は解消されるので、ハンドルを左右に動かしながらエンジン始動を試みてください。
電子キーの電池切れ
スマートキーとも言われる電子キーの普及によって起きるようになったのがキーの電池切れです。
電子キーの電池切れを知らせるインジケーターもありますが、電子キーが突然故障するという可能性も。
電子キーが車とやり取りする電波を発しなくなると、車がキーの存在を認識できなくなりエンジン始動が困難になるというものです。
自動車メーカーでは電池切れを想定して電子キーにはICチップとメカニカルキーが内蔵されています。
電波を発しなくなっているので、エンジン以前にドアの開錠もできないので、メカニカルキーを差し込んでドアロックを解除することになります。
車はピッキングによる不正開錠と認識するので警報装置のアラームを作動させますが、これはエンジンを始動させることで止まります。
電池切れ状態でエンジンを始動するには、電子キー内のICチップを認識させます。
メーカーや車種によって違いはありますが、現在多く見られるプッシュボタン式の場合であれば、電子キーのエンブレムがある部分でプッシュボタンを押し込めばICチップの読み取りが行われてエンジンが始動できる場合が多いようです。
ガス欠
セルモーターは勢いよく回るけど、一向にエンジンがかからない…こんな場合はガス欠の可能性があります。
ガス欠ならエンジンがかからなくても当然…わかってはいても、意外にもガス欠に気が付かないことも。
実際に、JAFの2018年度のシーズン別の出動件数・出動理由と件数を見てみると、燃料切れが常にトップ10に入っていて珍しくありません。
圧倒的に多いバッテリー関連のトラブル
エンジンがかからない不具合の原因は多数考えられますが、その中でも最も多いトラブルはやはりバッテリーに関わるもの。
ハイブリッドカーには走行用バッテリーが搭載されていますが、それとは別に補機バッテリーと言って通常の12Vカーバッテリーが搭載されており、この電力でシステムが管理されています。
たとえハイブリッドカーであってもバッテリーが上がるリスクはあるのです。
バッテリー関連のトラブル
バッテリー上がり
セルモーターの動きがイマイチ良くない、動くけれどもエンジンを回す力が弱い気がする…この様な症状の場合はバッテリー上がりによる電力不足が考えられます。
バッテリーは充電が可能な鉛蓄電池で出てきていますが、運転中の電力の使い方によっては放電量が充電量を上回ることがあり、その状態が長く続くとエンジンを始動するための電力を出せなくなります。
バッテリーターミナルの接触不良
バッテリーと配線の接続部となるターミナルはネジによって締め付ける形で取り付けられています。
バッテリーの端子は鉛で出来ており、ほんの少しテーパーがかかっています。
ターミナルを取り付ける際にはネジを締めるだけではテーパーに沿って浮き上がってきてしまうので、同時に軽く叩き入れる必要があります。
バッテリーの液量不足
バッテリー内には希硫酸が電解液=バッテリー液として入っています。
バッテリーは6つのセルに小分けされており、それぞれのバッテリー液が基準量になっていなければ本来の力を発揮できなくなります。
バッテリー液が減っている場合は、バッテリー補充液として純水を補充することに。
最近ではこのバッテリー液が減りにくい密閉式のメンテナンスフリータイプのバッテリーもあります。
バッテリーの寿命
充電池は放電と充電を繰り返すことによって内部が劣化します。
車に搭載されている鉛蓄電池も例外ではなく、サルフェーションと言われる現象によって劣化して電気が発生しにくくなるのです。
その車の走行状況などにもよりますが、一般的に2~3年がバッテリーの寿命と言われています。
気温が低い
バッテリーは化学変化によって電気を発生していますので、外気温によってその化学変化の促進具合に影響を受けます。
気温が低いことで化学変化が起きにくい状態となり、結果として必要な電力を取り出せないことも。
また気温が低いとエンジンオイルも硬くなり、エンジンを回す際の抵抗が増えるので、その影響で通常よりも多くの電力を必要とします。
バッテリー以外の部品トラブル
バッテリーは2~3年で寿命を迎える消耗品なので、エンジンがかからないトラブルの原因となりやすい部品といえます。
ですがバッテリーはあくまでも電気を蓄えておくためのもの。
電気を使って動くパーツも故障によってエンジンが始動できない可能性はあるのです。
バッテリー以外のトラブル
セルモーターの故障
セルモーターは停止しているエンジンを始動するためのクランキングを行うためのモーター。
このセルモーターに故障があると、クランキングに影響が出るので、エンジンの始動性が悪くなることがあります。
オルタネーターの故障
オルタネーターはエンジンに取り付けられている発電機。
エンジンの駆動力によって発電しており、走行中に消費される電力はエンジンに蓄えられた分とオルタネーターの発電によって賄われています。
このオルタネーターの発電能力が低下するような故障が発生することで電力不足になり、バッテリーに蓄えられた電力をも消費しつくしてしまうとエンジンが停止してしまいます。
走行中にバッテリー警告灯が付くようであれば、何かしらの理由で発電量が低下したことを意味しているので注意が必要。
車が動かなくなる前に最寄りの整備工場にて点検および整備を行ってください。
エンジンの故障
エンジンそのものが故障しているというケースも考えられます。
エンジンはいくつものパーツの集合体なので、たった一つのパーツの不具合によって、エンジンがかからなくなることもあるのです。
例えば燃料の噴射ノズルの不具合。ガソリン車にもディーゼル車にも燃料を噴霧するためのノズルがあり、これが目詰まりを起こすなどによって燃料が出なくなるというもの。
エンジン全体で見れば燃料不足となり始動性は悪化しますし、1気筒分燃焼が行われないので仮にエンジンがかかっても回転数が不安定になります。
スパークプラグかぶり
ガソリン車には混合気を点火するためのスパークプラグがあります。
このスパークプラグが大量のガソリンで濡れたり、燃焼によって生じるカーボンで汚れたりすることで点火するための火花が出なくなります。
これがいわゆるスパークプラグのかぶりというやつです。
現代の自動車では燃料噴射量も電子制御化されており、プラグをかぶらせるほどの燃料噴射は滅多に起きなくなりました。
ただし別の原因で始動できない状況で何度もエンジン始動を試みると、プラグに大量のガソリンが付着してしまい、かえって始動性を悪くすることに繋がります。
電気系統のトラブル
現代の車は電子制御によって動いているといっても過言ではありません。
エンジンにおいても例外ではなく、様々なパーツやセンサーが取り付けられており、同時に電気配線がなされています。
回線がショートした際に電気を遮断するためのヒューズが切れたり、配線にトラブルがあったりするとエンジンはかかりません。
例えば燃料ポンプのヒューズが切れてしまえば、燃料は供給されなくなりますので、エンジンは動かなくなります。
エンジンについているセンサーでは、エンジンの回転数と点火時期を把握するためのクランク角センサーに不具合が生じるとエンジンが動かなくなるケースがあります。
エンジンがかからない原因と対処法を症状別で考える
エンジンがかからないと言っても、車の状態は様々。
車のどの部分が悪いかによって、車の動きは変わってきます。
車がどの程度まで動くかを見極めることで原因も推測しやすくなります。
原因の推測
セルが回る
セルの回転数が低い場合、バッテリー上がりの可能性があります。
セルの勢いは普段と変わらないのであれば、燃料系統や点火プラグなどが疑わしくなってきます。
全ての燃料系統や点火プラグが同時に機能を失うことは考えにくいです。
クランキングと同時にアクセルペダルを操作することで不安定ながらもエンジンが始動できることもあります。
セルが回らない
セルがカチカチなどの音を出すだけで、エンジンはびくともしない。
この場合に関してもバッテリー上がりの可能性がありますが、セルモーター自体の不具合も考えられます。
ライト(電気)がつく
ヘッドライトなどの電気が付くのであれば、とりあえず主なバッテリーの配線に関しては問題がないということが分かります。
とにかくハザードランプやルームランプなど電気で動くものを試しにつけて見ましょう。
ただしこれらの電装品が作動しても、エンジンを始動するだけの電力がバッテリーに残されていない可能性はあります。
バッテリー上がりの場合は、ジャンピングなどの方法でエンジンが始動することもあります。
最近では携帯できるジャンプスターターバッテリーがあり、バッテリー本体の大きさもスマホのモバイルバッテリー程の大きさの物が流通しています。
自分一人で出来るバッテリー上がり対策として携帯するのも対処方法のひとつかもしれません。
ライト(電気)がつかない
ヘッドライトなどがつかない場合はバッテリー上がりが考えられますが、突然ライトがつかないほどバッテリーを消耗するという状況は通常では考えにくいです。
この場合はオルタネーター不具合や、バッテリーに繋がっている配線やメインヒューズが切れている可能性もあります。
ハンドルロックされてエンジンがかからない
電子キーの場合は電池切れによって車がキーの存在を認識しないので、ハンドルロックが解除されなくなります。
電子キーには電池切れに備えてICチップが搭載されているので、車両に読み取らせて始動を試みる必要があります。
電子キーが正常であってもハンドルロックが解除されない場合は、ハンドルロック機構も含めた車両側の不具合が考えられます。
エンジン警告灯が点灯・点滅している
キーをイグニッションONの状態にすることで各種インジケーター類が全て点灯しますが、これはイニシャルチェックと言われるもので、ここで点灯するのは正常な状態です。
問題はクランキング中や後にエンジン警告灯が点灯したり点滅したりする場合。
この場合はエンジンに関わる異常を検知した可能性があり、クランク角センサーなどの不具合が考えられます。
オイルランプが点灯している
オイルランプはオイル系統での異常を検知した場合に点灯するもの。
オイル量の不足や、オイルポンプの不具合などで油圧が発生していないなどの状況で点灯します。
どうしてもエンジンがかからない場合はロードサービス
ロードサービスがきた。バッテリーあがりだった pic.twitter.com/Pp9W8AobV4
— つっちぃー@新刊既刊とら委託中 (@MTss0063) March 7, 2020
エンジンがかからない状況は何時訪れるかわかりません。さらに原因が分かってもどうしようもないことも。
ガス欠なら燃料を調達しなければなりませんし、バッテリー上がりにしてもジャンピングには救援車とブースターケーブルが必要になりますよね。
セルモーター、オルタネーター、クランク角センサーなどに至っては、その場所では何が要因となって動かないのかの判断ができないので、現地での作業スタッフによる交換修理はほぼ不可能です。
その場での対処が難しい場合には、ロードサービスを利用して最寄りの整備工場で不具合を直してもらったほうが良いでしょう。
JAFやレッカー業者に依頼する以外にも、任意保険にロードサービスが付帯されていることがあります。
任意保険のロードサービスが付帯されているのであれば、保険会社に連絡することで利用可能です。
エンジンがかからない場合の修理費用の相場は?
エンジンがかからない原因となった故障個所によっても修理費用は大きく変わってきます。
例えば電子キーの電池交換であれば電池代と作業工賃を合計しても1000円未満。
カーバッテリー交換の場合も使用する新品バッテリーによっても変わってきますが、バッテリー代は5,000~30,000円程度には収まり、作業工賃は1,000~2,000円程度です。
セルモーター、オルタネーターの様な大きなパーツの場合はパーツ代で30,000~50,000円程度、工賃が3,000~15,000円程度になります。
新品だと高額なパーツ代になりますが、セルモーターやオルタネーターにはリビルト(再生)パーツを使うという選択肢もあり、その場合パーツ代は20,000円程度までに抑える事もできます。
オイル警告灯が付くような不具合の場合は、エンジンに深刻なダメージがある可能性も。
急激なオイル漏れやオイル管理が不適切など色々考えられますが、いずれにしてもエンジン内部で焼き付いているかもしれません。
その様な場合にはエンジンのオーバーホールや交換で30万~100万円という高額な修理見積りがでることもあり、車両そのものの買い替えを検討も視野に入ってきます。
まとめ
車はエンジンが動いてこそ意味があるものなので、エンジンが動かないというのは困りもの。
ですが何の前触れもなく突然エンジンが動かなくなるという事は非常に稀です。
現代の車はそうなる前に警告灯などで知らせてくれることがほとんどです。
エンジンが始動不良になったとしても慌てる必要はありません。
シフトポジションやハンドルロック関連であれば大抵その場で何とかなりますし、バッテリー上がりもジャンピングで始動すれば多くの場合また走れます。
自力でどうにもならないと判断してからロードサービスを依頼しても遅くはないはずです。
自分が利用できるロードサービスとその連絡先を把握しておけば、始動不良以外においても大きな助けになってくれるのでしょう。
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