車を運転していて怖いのは事故に遭うことですが、事故よりも身近な恐怖、それは、ブレーキが効かない状態になることです。
エンジンが車の心臓なら、ブレーキは最後の生命線です。
普段の基本的な運転操作で可能なものから、日常的にできるブレーキの点検まで、ブレーキが効かなくなったときの対処法を日頃から確認しておきましょう。
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ブレーキが効かなくなった!対処方法ってある?
突然、ブレーキが効かなくなれば、たちまちパニックに陥るでしょう。
アクションドラマのカースタントのような最終手段もありますが、だいたいの対処は、普段運転しているときの操作を慌てず的確に行うことでできます。
ブレーキが効かないときの対処法
シフトダウンしてエンジンブレーキをかける
一つは慌てずにシフトダウンして、エンジンブレーキでスピードを落とす方法です。
エンジンの負担を軽くするため、いきなり一番低いギアに入れるのではなく、一段ずつ低いギアに落とします。
エンジンブレーキを使用しているときはブレーキランプが点灯しないので、前後の車との間隔にも注意しましょう。
筆者は赤信号が見えるとアクセルペダルから足を離すのでよくわかりますが、平らな道なら停まる寸前までみるみるスピードが落ちるので、アクセルペダルから足を離す方法も教えておきましょう。
サイドブレーキを引いて減速させる
サイドブレーキを引いてスピードを落とす方法もあります。
サイドブレーキはフットブレーキとは独立したブレーキなので、フットブレーキが効かなくてもサイドブレーキで止められます。
サイドブレーキを引いてスピードを落とすときは、タイヤがロックして車が派手にスピンする危険性があるので、一気に引かないようにしましょう。
フット式の場合は、少々コツが必要ですが、サイドブレーキは、少しずつ引くのがポイントです。
安全に停まれたらブレーキを冷やす
ブレーキに無事に停まることができたら、とにもかくにもブレーキを冷やします。
冷やすといっても、ブレーキを自然の風にあてて熱を冷ますのです。
ヤケドしたときに「最初はとにかく水で冷やす」と教わったかもしれませんが、すぐ冷えるだろうとブレーキに水をかけたり、ましてや氷で冷やしたりするのはダメです。
強烈な温度差で、深刻なダメージが出る恐れがあります。
効かなくなっているブレーキは、それくらいひどい熱を持っているのです。
緊急手段!ガードレールや路肩に車を当てて停止させる
エンジンブレーキもサイドブレーキを引く余裕もないときは、もはや最終手段、ガードレールや路肩に車をこすらせて停めるしかありません。
「物損事故になる!」なんて言っていられません。自分と同乗者の命がかかっています。
ガードレールや路肩にこすらせた衝撃でスピードを少しずつ落とします。何とか衝撃が少なくなるようにこすらせましょう。
下り坂が続く山道では、ブレーキが効かなくなった車のために緩衝地帯があります。迷わず突っ込みましょう。
走行中にいきなりブレーキの効きが悪くなる原因ってなに?
走行中に怖いのは、いきなりブレーキが効かなくなることですが、現実に起こりうる事態です。
走行中にブレーキが効かなくなる代表的な現象や症状とその原因を知り、走り方に気をつければブレーキが効かなくなる危機を未然に防げます。
ブレーキが効かない原因
フェード現象が起きる
走行中にブレーキが効かなくなる代表的な現象が、フェード現象です。
フェード現象が起きる条件を理解して、引き起こさない走り方が大切です。
ブレーキを酷使すると摩擦力が低下する
車のブレーキの原理は意外とシンプルで、タイヤが回転する部分にブレーキパッドという装置を押し当て、タイヤとブレーキパッドの摩擦で車を停めるのです。
摩擦力を上げてブレーキがより強力になるように、ブレーキパッドの成分にはゴムおよび樹脂を含んでいます。
フットブレーキを踏みすぎると、熱でゴムおよび樹脂が加熱します。
さらに踏み続けるとゴムと樹脂が熱に耐えられる温度を超えて気化し、ブレーキローターとタイヤの間に侵入して摩擦力が著しく下がります。この状態をフェード現象といいます。
フェード現象は条件が重なると起きやすい
フェード現象は、発生するいくつかの条件があります。
急なアップダウンが連続する道や、きついコーナーの山道に加えて短い直線を連続走行すると、フットブレーキを酷使することになります。
さらに人を多く乗せたり荷物を積みすぎたりすることも、フットブレーキを使いすぎることに繋がります。
また、気温が高いとフェード現象が起きやすくなります。
フェード現象が起きやすい条件での運転は、できるだけ避けるようにしましょう。
ペーパーロック現象はもっと怖い!
フェード現象よりも怖いのが、ペーパーロック現象です。
フェード現象は摩擦力が下がるだけですが、ペーパーロック現象はブレーキが完全に効かなくなるので、ドライバーにとって最大の恐怖です。
ペーパーロック現象とは
ペーパーロック現象とは、ブレーキを酷使することでブレーキフルードという液体が熱を持ち、発生した気泡によってブレーキ性能を発揮できなくなることを言います。
基本的にはペーパーロック現象の前に、フェード現象が発生して制動力が低下します。さらに進行してペーパーロック現象が起きてしまうと、ブレーキはほぼ効かなくなります。
特に連続した坂道などでは、ブレーキの効きが悪いと感じたら、すぐに停止するなどの措置が必要です。
どうしてブレーキが効かなくなる?
ペーパーロック現象が発生すると、どうしてブレーキが効かなくなるのでしょうか?
ブレーキフルードが熱で沸騰すると、気泡が発生します。
フットブレーキを踏んでも、次々発生する気泡を押しつぶすだけでブレーキパッドに全く力が伝わらなくなります。こうなるとブレーキを踏んでいる意味が全くありません。
ブレーキが全く意味をなさない、いかに恐ろしい現象かおわかりいただけるでしょう。
車のブレーキが効かないメカニカルな原因とは?
フェード現象やペーパーロック現象以外にも、メカニカルな原因でブレーキが効かなくなることがあります。
メカニカルな原因
メカニカルな影響による主な原因を挙げてみましょう。
ブレーキフルード(ブレーキオイル)の劣化
ブレーキフルードの劣化は気をつけましょう。長期間交換しないと、水分が混じって劣化します。
またブレーキフルードのオイル漏れも大変です。
劣化したり漏れたりすると、ブレーキペダルを踏むとずっと奥まで下がり、ブレーキ力が正しく伝わらなくなります。
ブレーキパットの磨耗
車のブレーキの原理はとてもシンプルで、ブレーキパットはタイヤとの摩擦で車を停めるというお話をしましたが、ブレーキをかけ続けると長い時間の経過で摩耗が進行して、ブレーキパットの量が減ります。
ブレーキパットの残量がなくなると、車を停めようとする制動力は一気に低下してしまい危険です。
摩耗が進んでパッドの量が減る原因は、急ブレーキを使いすぎることも影響します。普段の走り方には十分注意しましょう。
キャリパーの不具合
ブレーキキャリパーという装置は、初めて聞く人もいるかもしれませんが、ブレーキパッドを押しつける大切な役目があります。
キャリパーは油圧でブレーキパッドを押しつけていますが、油圧ピストンに不具合があったり、汚れがたまったりしていると性能を発揮できません。
ローターの偏摩耗やヒビ
ローターとはブレーキディスクともいうパーツで、フットブレーキを踏むとブレーキパッドはローターを挟み込むことで車を停めます。
ローターに偏摩耗やヒビが入っていると、ブレーキパッドはローターをピタリと挟み込まなくなるので、ブレーキの効きが悪くなります。
油圧系のホースやセンサーの不具合
車のメカニズムに慣れていない人にはわかりにくいので専門家のアドバイスが必要ですが、ブレーキの油圧計のホースに加えてセンサーなどのパーツの不具合も、ブレーキの効きに影響します。
普段からできるブレーキの点検
ブレーキフルードが減っているの発見。1ヶ月前にフルード補充したんだけど…。
ジャッキアップして点検するか💦 pic.twitter.com/YbuhDen36N— Koji (@kouji8400_001) 2019年7月6日
走行中にブレーキが効かなくなれば非常手段しかありませんが、逆にいえば普段からブレーキを点検し、おかしいと思った症状に対して手を打てば、非常事態を回避できます。
ブレーキ点検方法
日頃からできる点検方法をチェックしましょう。
ペダルの遊びをチェック
車のブレーキは、踏んだらいきなり効き始めるわけではありません。
ハンドルと同じように操作をしても反応しない部分があります。これを遊びといいます。
ブレーキを踏むとスーッと下まで踏み込めたり、踏んだとき感触が硬くなったりするようだと、ブレーキに問題があります。
ブレーキを踏んだときの、遊びの状態を必ずチェックしましょう。
できれば、ついでにブレーキランプの点検もやると良いですね。
ブレーキフルードの残量チェック
ブレーキフルードの残量も大切です。
ブレーキパッドが減ると、パッドが減った分だけすき間が大きくなります。
すき間を調整するためにタンクのブレーキフルードの液面が減るので、ブレーキフルードの残量が減ってしまいます。
また、ブレーキフルードは車を動かさなくて劣化が進みます。ブレーキフルードは残量のチェックに加えて、定期的な交換が必要です。
異音や不具合はすぐに修理に出そう
車のブレーキが効かなくなることは、自分の命にかかわるだけでなく、周囲の安全を脅かします。
ブレーキの異音が発生したり不具合を感じたりしたら、素人考えで判断するのは禁物です。すぐにディーラーや地域の整備工場へ修理に出すか、症状を相談しましょう。
ブレーキの修理費用の相場は、ブレーキパッド、ディスク、またはブレーキオイル交換など、修理箇所や車種によって異なるので一概にはいえませんが、およそ1万円~5万円です。
見積もりの結果、ブレーキ装置の消耗が激しいときは費用によっては修理に出さず、いっそのこと買い換えたほうが安くつく場合もあります。
まとめ
走行中にブレーキが効かなくなる事態は考えたくありません。
走り方によってはいつ起きるかわからない不気味さがありますが、エンジンブレーキが効かないということはないし、サイドブレーキも使えるので、普段の基本的な運転操作で落ち着いて対応すれば大丈夫です。
普段点検し、車検にも出していれば、ブレーキが効かない非常事態は未然に防げます。
自分の命と周囲の安全を守るには、日頃の整備と点検がどれだけ大事かということですね。
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