ワイパーは雨の日の運転には「命綱」というべきアイテムです。ワイパーが動かないで前が見えなくなる事態は、考えるだけで怖いですね。
雨天時には前方の視界を確保してくれる安心感がありますが、ワイパーはモーターで休みなく動く部品です。いつでも故障する可能性があるのです。
不具合を放置すると無駄に高額な修理費用がかかり、痛い出費を強いられます。
懐を痛めないよう故障の前兆と代表的な不具合の症状をつかみ、肝心な時にワイパーが動かない事態を回避しましょう。
ワイパーが動かない!応急処置ってある?
急にワイパーが動かなくなってしまったら、モーターの故障が考えられます。
安全な場所に停止できるようであれば停止し、ワイパースイッチを入れてモーター音を確認しましょう。
モーター音が聞こえない時はヒューズ切れの可能性があります。
もしヒューズが切れていたら、カバーにある予備と交換するか、運転に支障ないラジオなどの電装品のヒューズで規格が合うものに入れ替えるのがベターです。
ヒューズボックスの位置や予備の場所は取扱説明書に書いてあるブー
ヒューズ切れではない場合は、モーターが故障している可能性が高いです。
近くにカー用品店やガソリンスタンドがあれば、撥水剤を塗るという方法もおすすめです。
撥水効果で水滴が飛ぶスピードは時速50~60キロといわれていますが、フロントガラスの傾斜の度合いや塗り方によっても多少変わってきます。
雨がひどい場合や高速道路上にいる場合は、速やかに停止しレッカーを手配しましょう。
JAFを呼んでもいいブー
雨の中ワイパーを使わずに走行するのは非常に危険なので、無理はせずに最も安全で確実な方法を選びましょう。
ワイパーが動かない原因ってなに?
根元のナットのゆるみやヒューズ切れなど、ワイパーが動かない原因は様々。
寒い朝であれば、ワイパーがガラス表面に凍り付いている可能性もあります。
ワイパーアームなどのナットゆるみ
スイッチを入れてもモーター音が聞こえるだけでワイパーの両方、または片方だけ動かない時は、原因としてワイパー根元のナットのゆるみが考えられます。
根元のナットは元々あまりきつく締めていません。ワイパーシステムに大きな負荷がかかっても故障しないようにするためです。
雪が積もった冬の朝、ワイパーを動かすと大きな負荷がかかりナットが緩むことがあります。締め直すときは、きつく締めすぎないよう気をつけましょう。
雪が降る夜はワイパーを立てておくのが良いブー
ヒューズ切れ
ワイパーのスイッチを入れたのにモーターの音が全く聞こえない時、原因はヒューズ切れの可能性があります。
ヒューズは運転席または助手席の足元のボックスにまとめられています。
ヒューズを交換すればOKですが、規定数値以上の電流が流れた原因をつかまないと再度切れることもあります。
断線の可能性などもあるブー
なにか電装部品をいじったり取り付けたりした後にワイパーが動かなくなったなら、このケースが濃厚でしょう。
原因究明の必要もあるので、交換に自信がなければディーラーなどの専門家に見てもらいましょう。
アースの接触不良
ワイパーが動かない原因で一番多いのがアースの接触不良です。
ワイパーを動かすための電流は、バッテリーからモーターを介してアースへ流れます。
アースを車のボディーに繋ぐボルトが緩んでいると、接触不良が起きるのです。
またボディー表面のサビや車の年式が古いことも、接触不良の原因となります。
モーターユニットの故障
スイッチを入れてもモーター音がしない、あるいは音がおかしい時はモーターユニットの故障が考えられます。
雪が積もった朝や、極寒の日にワイパーブレードがガラスに凍り付いている時はむりやりワイパーを動かすことがあるでしょう。
しかし大きな負荷はモーターが焼き付いたり、ユニットの一部が破損したりする原因となるのです。
雪が積もっている場合は、しっかりフロントガラスの雪下ろしをしましょう。
ワイパースイッチの故障
スイッチオンにしてもワイパー音がしない、または動作が不安定な時はワイパースイッチ自体の故障が考えられます。
スイッチが壊れることは非常に稀ですが、年式が古い車では経年劣化によるサビ、または腐食が接触不良の原因となることがあるのです。
ワイパースイッチを交換すれば解決しますが、専門家に見てもらう方が無難でしょう。
こんな症状の時はなにが原因なの?
ワイパーが片方動かない、途中で止まることもあります。
原因は大体ワイパーシステムの内部にありますが、雪が積もった朝、無理やりワイパーを動かすと大きな負荷がかかって故障することもあるのです。
ワイパーが片方だけ動かない
車のワイパーは1つのモーターで動かしています。
片方だけ動かない時は原因としてモーターの回転をワイパーに伝えるリンクモーションの脱落、または破損が考えられます。
あと1つはワイパーの空回りです。ワイパーをネジで取り付けている部分が少し緩んで空回りする現象ですね。
大きな負荷が加わったりネジの締め付けが少しゆるかったりすると、この個所が空回りしてワイパーシステムを保護するのです。
動かない方のワイパーを増し締めし、それでも動かなかったらリンクモーションの脱落を疑いましょう。
ナットの締めすぎは厳禁だブー!
ワイパーが途中で止まる
モーターが回転していれば、モーターからワイパーの軸へ駆動力を伝えるベルトあるいは、ワイパーの軸の滑りが考えられます。
あるいはリンクモーションの空回りなど、ワイパーユニットの内部にガタつきが生じていることが一因でしょう。
少しでもワイパーが動いている時点でモーターの故障ではないので、早めに整備工場またはディーラーに持ち込むことをおすすめします。
ワイパーの停止位置がずれる
原因としてワイパー本体の曲がりや、ナットの緩みが考えられます。
ワイパーに重いものを置くなど無理な力を加えるとワイパーが曲がり、停止位置がずれることがあるのです。
冬には凍結でフロントガラスにゴムが張り付かないよう、ワイパーを上げておくことがありますね。
ところが屋根から雪が落ちてくると、圧力でワイパーの停止位置がずれる可能性があります。
またフロントに雪が残ったままワイパーを動すことも、停止位置のずれを生むのです。
間欠ワイパーだけ動かない
ワイパーモーターの中にあるブラシの磨耗による接触不良です。
モーターは短い時間オンにすると、ローターと呼ばれる内部の基板とブラシによってオンの状態を保ちます。
ところがブラシが磨耗するとモーターが回転しなくなるのです。
間欠ワイパーを使わないという対応もありますが、ブラシが磨耗しているモーターは近いうち完全に停止します。
そうなる前に交換をおすすめするブー
スムーズに動かない
アースやヒューズが正常なのに、ワイパーが動かない時はモーターの故障が考えられます。
モーターはめったに故障しませんが、雪が積もった時に大きな負荷がかかると焼け付いて動かなくなることがあります。冬の朝などは注意しましょう。
モーターの故障は交換が必要です。車種によりますが20,000~40,000円くらいは必要でしょう。
ワイパーが動いたり動かなかったりする
ワイパーのような電気系統の不具合は、症状の再現と端子電圧の点検が重要になります。
たまにしか症状が全く出てくれないと、不具合の特定は難しくなってしまいます。
配線、スイッチ、モーター、ワイヤハーネス・コネクター・アースポイント等が候補になりますが、回路図から推察する必要があるので、修理は業者に任せるのが安心です。
いつ動かなくなるか心配なので、早めに点検してもらうことをおすすめします。
ワイパーの故障を放置するとどうなる?
ワイパーゴムは劣化すれば新品に交換するだけです。
しかしワイパーの故障を放置すると最悪の場合フロントガラス交換が必要で、修理費用ばかり膨らみます。
放置するとフロントガラス交換が必要になる?!
ワイパー故障を放置すると極端な場合、モーターだけでなくフロントガラスの交換が必要なケースもあります。
ワイパーの動作が不安定になり、ガラス表面を削ることがあるからですね。
フロントガラス交換にまで至らなくても車を売る時に値段が大きく下がるので、ワイパー故障を放置するのは得策ではありません。
細かな傷がついたガラスは光が反射し、安全に運転することも難しくなります。
修理するならどこが良い?
修理をどこが良いかは一概には断言できませんが、費用で比べるとディーラーが高く、次いで街の整備工場の順になりますね。
多少費用がかかっても安心を求める人は、ディーラーで良いでしょう。
ディーラーで交換する場合は、新品の純正部品を使うので修理費用が高くなります。
街の整備工場であれば、リビルドモーターや中古部品を使って安く仕上げてくれることもあります。
一方で交換に自信を持ち、機能や種類にも強くこだわり、かつ費用を抑えたい人なら自分で交換するのがベストですよ。
カー用品店はワイパーゴムの交換はしてくれますが、ワイパーモーターの修理までは取り扱っていないケースが大半ですz。
ゴム交換だけなら安価に復活
ワイパーを動かしたときに変な音がする、動きが鈍いというケースは、ゴムが劣化している可能性もあります。
ゴムの交換だけなら費用も安く済むので、ワイパーの拭き残しが目立ってきたら早めに交換しましょう。
またワイパーが跳ねる動きが目立つと、ゴムが硬くなっています。交換の目安にしてください。
撥水・親水剤などのコーティング剤の効果は?
フロントガラスに撥水・親水剤を塗布するとよく水を弾きます。
ワイパーを動かす必要はなさそうですが、そうはいきません。
親水・撥水剤の効果は中高速、概ね時速50km/h以上から現れます。
町の中を走っているだけなら信号で停まることもあり、撥水コートだけでは不十分です。
ワイパー修理の費用はいくら?
ワイパーゴムだけならば修理・交換費用はそれほど高くなりません。
しかしモーターやフロントガラスは確実に万単位の費用が必要です。
ゴムも長く放置するとモーターにも負担がかかります。劣化が酷くなる前に交換したいですね。
交換部品 | 修理費用 |
---|---|
ワイパーゴム | 1本につき1,500円程度 |
ワイパーブレード | 1本につき3,000円程度 |
ワイパーモーター | 30,000〜50,000程度 |
フロントガラス交換 | 100,000円以上 |
ワイパーの効きが悪くなったらまずはゴムの状態を観察し、劣化が著しければ早めに交換しましょう。
ゴム交換だけなら費用は大してかからないブー
早めのゴム交換はモーターなどワイパーシステムへの悪影響を防ぎ、結果として修理代を安く抑えることができますね。
ワイパーはモーターで動く部品なので、できる限り負担を減らしてあげることが大事です。
そうすることで長持ちになり、モーターへの負担も軽減して結果的にワイパー故障を防ぐことに繋がります。
まとめ
- ワイパーが動かないときは安全な場所に停止してヒューズを確認する
- 雨の中ワイパーを使わないのは危険なので必要に応じてレッカー移動を依頼する
- ワイパーが動かない原因はナットの緩みや接触不良、スイッチ故障も考えられる
- 調子が悪いと感じたら早めに整備工場またはディーラーへ点検を依頼する
- 日頃から定期的なワイパーゴム交換することが、故障を防ぐ方法
雨の日に一番怖い事態は、ワイパーが動かないことですよね。
ワイパーはあるのが当たり前である意味空気のような存在ですが、モーターで動くので常に故障と背中合わせなのです。
致命的な不具合にならないよう日頃からゴムの状態に気を配り、劣化してきたら早めに交換しましょう。
雪の日にはワイパーを立てるなどの対策も実施したほうが、ワイパーの負担を軽減して故障を防ぐことに繋がります。
また故障しても最低限の状況で済むよう、代表的な症状も理解しておくと良いですね。