新車か中古車どっちがコスパ最強?実例を交えて現役営業マンが解説します

車は人生の中でも高額商品に分類されますので、誰もが購入時は慎重になります。

私は地方ディーラーで営業マンをしていますが、お客様からされる質問の中でも多いのが「新車と中古車どちらがいいのか?」というモノ。

私はコスパで選ぶなら新車をおすすめしますが、中古車にも大きなメリットがあります。

今回は実際にお客様から質問が多いポイントを中心に、どちらを選ぶべきなのかをご紹介いたします。

目次

新車のメリットデメリットを解説

新車も中古車もそれぞれにメリット・デメリットがあります。

ブーまる

まずは新車のメリットデメリットを紹介するブー

新車のメリット新車のデメリット
誰も乗っていないキレイな車に乗れる
最新の装備が搭載されている
色や仕様が自由に選べる
メーカー保証が受けられる
売るときも高く売れる
購入費用が高い
新しい分気を使う
任意保険料が高い
納車までの期間が長い
新車のメリットデメリット

新車のメリット5つ

メリット1.誰も乗っていないキレイな車に乗れる

オドメーター8キロの新車

新車を購入する最大のメリットともいえるのが、まだ誰も乗っていないまっさらな新品を手に入れられることです。

工場からそのままディーラーに送られてきただけなので、走行距離も数キロ程度。

自分が正真正銘、初めてのオーナーとなれるのです。

傷一つ内外装、汚れ一つない内装は誰の目に見ても気持ちの良いものです。

ブーまる

車内の新車のニオイが好きというお客様も多いんだブー

メリット2.最新の装備が搭載されている

機能面での新車のメリットとして挙げられるのが「最新装備が搭載されている」という点です。

特に安全運転支援システムの違いは大きく、たった5年違うだけで全くの別物になっているケースも珍しくありません。

以下の表は、2025年の最新版アイサイトと2020年のアイサイトを比較したものです。

機能2025年版2020年版
クルーズコントロール全車速域全車速域
ツーリングアシスト搭載非搭載
渋滞時ハンズオフ搭載非搭載
レーンチェンジアシスト搭載非搭載
ドライバー異常検知搭載非搭載
VM型VN型の違い

安全運転支援システムは毎年改良するメーカーも多く、モデルチェンジ前後では雲泥の差となっていることもあります。

新車であれば、各メーカーが最新の機能を装備しているので「あれがついていない!」という事態は避けられます。

メリット3.色や仕様が自由に選べる

新車であれば車種選びはもちろん、ボディカラーや内装色まで自分が好きなように選べます。

特に高級車になるほど、細かな仕様まですべて自分で選ぶことができるので新車を買うメリットが大きくなります。

例えばレクサスのSUV「LBX“Bespoke Build”(ビスポークビルド)」は内外装カラー以外にも、シートベルトの色やステッチ色まで選べ、約33万通りから自分だけの1台を作ることができます。

“Bespoke Build”

※出展:レクサス公式サイトより

これほどまでではないとしても、新車には注文時しか選べない様々なオプションが存在します。

こうしたたくさんの選択肢の中から、自分のライフスタイルや好みに合わせた1台をオーダーできるのは、新車を買うメリットの1つとして十分といえます。

メリット4.メーカー保証が受けられる

新車は最長5年または10万キロまで保証がついてきます。

万が一故障した場合でも、消耗品ではない限りは無償修理が受けられます。

購入したディーラーはもちろん、全国のディーラーでアフターサービスが受けられるので安心です。

ブーまる

そもそも新車なので故障のリスクも少ないブー

メリット5.売るときも高く売れる

中古車市場において、新車時から1人が大切にしてきた”ワンオーナー車”というのは人気です。

メンテナンスさえしっかりしていれば、次回の買い替え時に高く売れるというのも新車のメリットです。

新車であれば10年乗ってもまだまだ買い手がいますが、中古車だと5年落ちの車を買えば10年乗れば15年落ちとなります。

ブーまる

15年落ちはさすがに高く売ることはできないブー

ズバット車買取比較「中古車の査定・買取相場」を見てみると、人気車種の買取相場は下記の表の通りです。

車種10年後の相場15年後の相場
N-BOX490,000円0円
RAV-4740,000円430,000円
セレナ590,000円140,000円
人気車種の買取相場

10年落ちの車は国内で再流通しますが、15年落ちともなると輸出されるケースが大半です。

RAV-4のような海外で需要がある車ならまだしも、その他の車種では買取額は期待できないでしょう。

新車のデメリット4つ

デメリット1.購入費用が高い

当たり前ですが、新車は購入時の費用が高いというデメリットがあります。

特に最近は安全運転支援システムの進化により、半導体を多用することで製造コストが上がっています。

排ガス規制に対応するための研究費用や、原材料費高騰の影響は新車販売価格に直結します。

下記の表は、人気車種の20年前と今の新車価格を比較したものです。

2005年の車両価格2024年の車両価格
アルファード2,835,000円5,400,000円
カローラ1,470,000円2,028,600円
ステップワゴン1,995,000円3,169,100円
セレナ2,100,000円2,768,700円
20年前との比較

日本で販売されているほぼ全ての車種が、20年前と比較すると大幅に値上がりしていることがわかります。

ブーまる

グラフにするとわかりやすいブー

自動車の価格と平均年収

赤い点線で示しているのは日本人の平均年収です。

平均年収は20年前に比べて下がっているのに対し、新車の価格は全て上がっていることがわかります。

新車は昔より確実に高くなっており、これはハッキリとしたデメリットと言っても過言ではないでしょう。

デメリット2.新しい分気を使う

新車は誰も手を付けていない全くの新品なので、それが逆に気を使うという方も多くいます。

傷一つない新車のボディ

筆者も何度も新車をお客様に納車したことがありますが、キレイに使わないといけないプレッシャーに押しつぶされそうな方は結構います。

逆に気にされない方は全く気にしていないので、これは人それぞれという感じですね。

ブーまる

そのままワンちゃんを乗せて帰るお客様もいるブー

デメリット3.任意保険料が高い

新車はまだ償却が終わっていない都合上、車両の価値が最も高い状態です。

そのため自動車保険に車両保険を付帯させる場合、どうしても保険料が高くなってしまいます。

筆者は新車だろうが中古車だろうが、万が一に備えて車両保険をつけることをおすすめしています。

そのためお客様も大半が車両保険に加入されるのですが、新車の保険料の高さは嘆く人が多いです。

しかし、新車価格特約などは購入時にしか入れないので、安心を買うという意味でも車両保険は入っておきましょう。

デメリット4.納車までの期間が長い

世界的な半導体不足の影響もあり、新車はどんどん納期が長くなっています。

ディーラーが見込み発注している車がある場合などは別ですが、完全新規オーダーですと半年〜1年程度待たされるのはザラです。

ランクルやアルファードに至っては抽選販売となることもあり、購入したくても抽選に当たらないと商談すらできません。

ようやく契約となっても半年以上待たされるため、欲しい車を気軽に買えるような時代ではなくなりつつあります。

本サイトの編集部員にも、現行型「シビックタイプR」を契約した人がいますが、契約から2年経過しましたが未だに納車の目処は立っていません。

ブーまる

4年かかるかもって言ってたブー!

中古車のメリットデメリットを解説

ここでは中古車のメリットとデメリットをご紹介します。

中古車のメリット中古車のデメリット
購入費用が安い
現行車種以外も選べる
気軽に乗ることができる
すぐに納車される
メーカー保証が受けられないことがある
型落ち車両であることが多い
売却時のリセールバリューが悪い
修復歴車や冠水車を掴むリスク
中古車のメリットデメリット

中古車のメリット4つ

メリット1.購入費用が安い

車は1度人の手に渡れば中古車となるため、当然ですが新車に比べて価格が下がります。

また中古車は走行距離や年式によって価格が大きく変わるため、予算がいくらであっても車を買うことができます。

新車を10万円で買うことはできませんが、中古車を10万円で購入することは可能です。

試しに「カーセンサー」で価格を10万円までにすると、2024/07/26時点で1,778台がヒットします。

10万円で中古車検索したところ

逆に最も高い中古車を検索すると、2億円を超える車が見つかります。

2億円の中古車

このように、中古車はいくらのものでも用意されているので予算に応じて自由に車選びができるのです。

メリット2.現行車種以外も選べる

新車は現在メーカーが用意している車種の中から車選びをすることになります。

しかし中古車はすでに販売されていた車であれば、在庫さえあれば自由に車選びができます。

法規制が変わって今では販売できないような車や、名車と呼ばれるような車まで、どんな車でも見つかります。

筆者のお客様の中には、現行車種はデザインが嫌だからと中古で前モデルを購入された方もいます。

こだわりの1台を探せるのが、中古車のメリットと言えるでしょう。

メリット3.気軽に乗ることができる

中古車は新車と違って、傷や凹みを気にしなくても良いから楽というお客様も数多くいらっしゃいます。

代々中古車ばかりを乗り継ぐお客様は、「どうせ一回乗れば中古車になるんだから!」と言っています。

他にも免許取り立てでぶつける心配のある方、ペットを乗せる方、車内でタバコを吸いたい方は中古車を選ぶ傾向があります。

メリット4.すぐに納車される

中古車はすでに在庫がある中から選ぶので、納期が長期化する心配がありません。

書類の手続きさえスムーズに終わってしまえば、最短1週間で納車することも可能です。

個人売買などであれば、書類手続きは後回しにしてその場で乗って帰ってしまうなんていうケースもあります。

ブーまる

あまりおすすめはしない方法だブー

中古車販売店は在庫を早く捌けさせたい思いから、比較的早めに納車を進めてくれます。

中古車のデメリット4つ

デメリット1.メーカー保証が受けられないことがある

メーカー保証は最長でも5年または10万キロまでですので、新車登録から5年以上が経過した車はメーカー保証を受けられません。

中古車販売店が独自に設定している保証があれば、そちらに加入することはできます。

しかし保証がない中古車を買った場合、その後の故障は全て自己負担となります。

古い年式の中古車を買う場合は、その後のメンテナンス費用はしっかり用意しておきましょう。

デメリット2.型落ち車両であることが多い

新古車を買わない限り、ほとんどの中古車は型落ちです。

機能面では新車に劣る部分もあるので、こうした点は理解しておく必要があります。

年式によってついている機能やそうでないものがあるので、購入前にその年式の車に装備されている内容を把握しておくことをおすすめします。

筆者のお客様の事例ですが、ネットで「オデッセイハイブリッド」を格安で購入された方がいました。

しかし購入したのは2016年式で、ホンダセンシングに渋滞追従機能がついていませんでした。

ブーまる

全車速型になるのは2017年からなんだブー

長距離移動が多い方で、ホンダセンシングが付いていれば大丈夫だと思ったそうで、結局1年ほど乗って手放されました。。

デメリット3.売却時のリセールバリューが悪い

当たり前の話ですが、5年落ちの中古車を購入して10年乗ったら15年落ちとなります。

日本の中古車市場は10年以上の車は買取相場がグッと低くなってしまいます。

13年以上で自動車税や自動車重量税が増税される影響もあり、10年以上経過している車は人気がないのです。

そのため中古車を購入した場合は、その後のリセールバリューは考えない方が良いでしょう。

ブーまる

乗り潰すこと前提になるブー

デメリット4.修復歴車や冠水車を掴むリスク

筆者はよく「掘り出し物の中古車を見つけて欲しい」と依頼を受けますが、掘り出し物の中古車というものはありません。

もちろん、「個体によって割とキレイに乗られていた車だった」程度のことはありますが、中古車はクオリティと価格がわかりやすいほど直結しています。

言い換えれば、言いものは高い、悪いものは安いというのが中古車です。

それを理解せず、中古車検索サイトで安い順に並べ替えて探していると、修復歴や冠水歴を隠して売りつけるような悪質な中古車販売店に騙されることになります。

修復歴車は告知義務があるので見分けることができますが、冠水車(水没車)は告知義務がないので見分けるのが大変です。

彼らは「水没車とは言っていないが水没していないとも言っていない」というスタンスで怪しい車を販売します。

間違いなく悪いのはこうした中古車屋ですが、我々は自己防衛するしか自分の身を守る方法がないのです。

※引用「【見分け方教えます】水没車や冠水車は告知義務がないから買ってしまったら終わり」より

予算ばかりを重視すると、こうした粗悪な中古車を購入してしまう可能性が高まります。

ブーまる

理由なく相場を大きく下回っている車は注意だブー

過去の経験からディーラーマンは新車をおすすめしている

筆者はディーラーで営業マンをしていることもあり、これまでたくさんのお客様と向き合ってきました。

その上で新車か中古車で迷った場合は、間違いなく「新車」をおすすめしています。

新車はメーカー保証も受けられる上、製造工場から直送されてくるので品質も申し分ありません。

高いというデメリットはありますが、万が一の充実したサポートをはじめとする”安心して車に乗れる”というメリットは大きいでしょう。

逆に、その点に対して全くメリットを感じないのであれば中古車で十分です。

そこでここでは、新車が向いている人と中古車が向いている人をタイプ別にご紹介します。

新車が向いている人の特徴

1.購入資金に余裕がある人

車を購入する資金が十分にある、またはローンを組んでも余裕を持って返済できるという人は新車がおすすめです。

新車は手放すときのリセールバリューも良いので、実質的な支払総額は中古車と大して差がつかないケースもあります。

しかし一旦出ていくお金や、保険料を含めた車両維持の費用が一時的に高くつきます。

こうした部分が問題ない人は新車がおすすめです。

2.最新装備を使いたい人

新車のメリットは最新装備が搭載されている点は先程お伝えした通りです。

特に運転支援システムやハイブリッドシステムの進化はめざましく、最新装備にはディーラーマンの筆者ですら驚きます。

新車は毎年買うようなものではないので、長く使うことを考慮して「その時点の最新のもの」を買うのはいい選択だと思います。

3.なるべく故障のリスクを低くしたい人

車に限らず工業製品全般にいえることですが、新しいものほど壊れません。

機械の劣化もなく金属疲労も起こしていないため、とにかく故障が少ないのです。

また新車はメーカー保証がついているので、万が一故障したときでも無償で修理が受けられます。

ブーまる

車は道具と考える人ほど、故障による機会損失を嫌うブー

出先でトラブルに巻き込まれるのが嫌な人、使いたいタイミングで故障しているのが嫌な人は間違いなく新車がおすすめです。

4.納車までの期間が長くても問題ない人

新車の納期はどんどん長くなっており、半年〜1年程度待たされることも珍しくありません。

そのため車検のタイミングに間に合わないなどの理由で、泣く泣く新車を諦めるお客様も多数いらっしゃいます。

もし長い納期を待てるのであれば、ディーラーマンの筆者は新車をおすすめします。

5.外装色や内装にこだわりがある人

新車は自分好みの仕様でオーダーできるため、こだわりの1台を作り上げたい人にもおすすめです。

注文時にしかオーダーできないオプションなども多数あるため、こうしたオプションを選択したい人も必然的に新車になります。

ブーまる

例えば寒冷地仕様なんかがそれだブー

メーカーは定期的に特別仕様車を発売するため、そのタイミングでしか注文できない車をオーダーできるのも1つのメリットです。

6.定期的に買い替える人

定期的に車を買い替える人は、リセールバリューが良い新車がおすすめです。

「中古車を何度も乗り継ぐのが正解」という人もいますが、筆者は新車を5年ごとに乗り換えるのが正解だと思っています。

メーカー保証が切れる5年間は安心して乗って、その後はリセールバリューが高いうちに手放す。

そしてまた新車に乗り換えることを繰り返せば、いつでも最新の車にお得に乗り続けられます。

ブーまる

新車と中古車のトータルコスト比較はこのあと紹介するブー

ディーラーマンが中古車をおすすめする人

ライフスタイルは人それぞれなので、逆に中古車の方がおすすめという人もいます。

下記に当てはまる人は、新車よりも中古車がおすすめです。

中古車が向いている人の特徴

1.購入資金に余裕がない人

中古車は10万円で買えるものもあれば、1,000万円以上するものまであります。

新車は最低でも120万円はするため、予算が限られている人は中古車がおすすめです。

車は人によって「相棒、道具、足」と求めるものがバラバラです。

相棒と捉えるのであれば潤沢な予算でお気に入りの1台を見つけるのがベストですが、道具や足であれば必要最低限で十分です。

車に使える予算が限られている、または車に使うお金は少なくしたい、という方は中古車が良いでしょう。

2.傷や凹みを気にしたくない人

中古車は1度人の手に渡っているため、どうしても多少の傷や凹みはつきものです。

ブーまる

だからこそ気を使わなくて済むという人も多いんだブー

車は使っているうちに、どんなに気を使っていても傷や凹みがついてしまうのは避けられません。

新車であれば傷がつくのはショックですが、中古車なら「最初から傷があったし」と気持ちが軽くなります。

運転に自信がない方や、はじめから汚れた荷物を乗せる予定などがある人は中古車がおすすめです。

3.どうしても欲しい車種やカラーがある人

車は毎年新型車が発売され、毎月のように特別仕様車や限定カラーが発売されるようなものです。

それは何十年も前から続くことで、世の中には「その時しか手に入らない車」というものがあります。

どうしても欲しい車や、その時代にしか販売されていない車は中古車として購入することになります。

本サイトのライターも、どうしても欲しい車があり個人売買にて中古車を手に入れました。

4.最新装備には興味がない人

最近発売されている新車のトレンドは「自動操作」です。

自動運転システムをはじめとする、あらゆる車の操作を自動化してくれるというもの。

その結果として、使う半導体の数が増えて納期も長くなり新車価格が高くなっているという背景があります。

ブーまる

車は自分で操作するから自動化なんていらないブー!

もしこうした自動化に興味がない人は、新車を買う大きなメリットを1つ失うことになります。

それであれば無理に新車を買う必要などなく、余計な機能がついていない中古車を買うことをおすすめします。

5.自分で整備ができる人

中古車は故障してもメーカー保証が切れていれば、全額自己負担で修理することになります。

修理を全てディーラーに任せると非常に高額になるので、そういう理由で筆者は中古車をおすすめしていませんでした。

しかし自分で修理ができる人であれば話は変わります。

格安で直してくれる整備工場があったり、自分で整備ができる人は修理費用を抑えることができます。

その場合は中古車でも十分と言えるでしょう。

新車と中古車のトータルコストを比較した結果

新車と中古車どっちがいいか、コスパの面で選びたいという方は以下のシミュレーション結果を参考にしてください。

スペーシアカスタムを買った場合

かかる費用新車中古車
車両購入費用2,303,160円1,500,000円
自動車税総額(10年)108,000円112,200円
車検費用総額(10年)240,000円590,000円
10年後の買取相場▲420,000円0円
実質負担額2,231,160円2,202,200円
スペーシアカスタムを新車と中古車で買った場合

シミュレーションの条件

  • 車両はカーナビ、ETC、フロアマットを選択した金額(ナビは社外品)
  • 中古車は5年落ちの車両を認定中古車で購入した場合の平均価格
  • 車両値引きは含めない
  • 年間走行距離は1万キロを想定
  • 自動車保険、ガソリン代は新車も中古車も同じなので含めない
  • 自動車税は13年目以降は12,900円で計上
  • 車検費用は10年以降でタイミングベルトや消耗品交換費用を計上
  • 買取価格はズバット車買取比較が提供する「中古車の査定・買取相場」より
    (スペーシア2013年登場のためは中古車の買取相場は前モデルのパレットから引用)

スペーシアカスタムを買う場合は、中古車の方が28,960円ほどトータルコストが安いことがわかりました。

新車と総額が大きく変わらなかったのは、5年落ちの中古車が意外と高いことが原因です。

スーパーハイトワゴンは中古市場でも人気が高く、なかなか値段が下がらないという事情があります。

そのため新車で買った場合はリセールが高く、実質的な負担額を下げてくれるのです。

しかし中古で買うとリセールは期待できず、車両取得費用も高くつくのでコスパが悪いのです。

5年落ちの中古車を買って10年乗る場合、その車はすでに15年落ちになります。

13年経過後は自動車税も高くなりますし、タイミングベルト交換などのメンテナンス費用も発生します。

このあたりを交換せずにいくなら中古車、メンテナンスはケチりたくないなら新車がコスパ◎です。

セレナを買った場合

かかる費用新車中古車
車両購入費用4,185,641円2,490,000円
新車値引き▲400,000円
自動車税総額(10年)395,000円424,500円
車検費用総額(10年)480,000円840,000円
10年後の買取相場▲590,000▲140,000
実質負担額4,070,641円3,614,500円
セレナを新車と中古車で買った場合

シミュレーションの条件

  • 車両はカーナビ、ETC、フロアマットを選択した金額
  • 中古車は5年落ちの車両を認定中古車で購入した場合の平均価格
  • 車両値引き額はカカクコムの平均価格から算出
  • 年間走行距離は1万キロを想定
  • 自動車保険、ガソリン代は新車も中古車も同じなので含めない
  • 自動車税は13年目以降は45,400円で計上
  • 車検費用は10年以降でタイミングベルトや消耗品交換費用を計上
  • 買取価格はズバット車買取比較が提供する「中古車の査定・買取相場」より

国産Mサイズミニバンを購入する場合は、中古車の方がコスパが良いという結果になりました。

新車値引きを入れても中古車より負担額が多くなるので、中古車を買って乗りつぶした方が支払総額は安くなります。

ただし中古車の場合は故障が増えるほど出費がかさみます。

タイミングベルト、タイヤ交換程度で済めばいいですが、大きな故障をしてしまった場合は逆転現象が起きます。

しかし購入するのが認定中古車で、その後も定期メンテナンスを受ければ大きな故障のリスクはそう高くないでしょう。

ブーまる

コスパ重視なら中古車がおすすめだブー

アルファードを買った場合

かかる費用新車中古車
車両購入費用6,500,000円3,850,000円
新車値引き▲30,000円
自動車税総額(10年)450,000円470,100円
車検費用総額(10年)600,000円1,000,000円
10年後の買取相場▲1,550,000円▲660,000円
実質負担額5,970,000円4,660,100円
アルファードを新車と中古車で買った場合

シミュレーションの条件

  • 車両はカーナビ、ETC、フロアマットを選択した金額
  • 中古車は5年落ちの車両を認定中古車で購入した場合の平均価格
  • 車両値引き額はカカクコムの平均価格から算出
  • 年間走行距離は1万キロを想定
  • 自動車保険、ガソリン代は新車も中古車も同じなので含めない
  • 自動車税は13年目以降は45,400円で計上
  • 車検費用は10年以降でタイミングベルトや消耗品交換費用を計上
  • 買取価格はズバット車買取比較が提供する「中古車の査定・買取相場」より

アルファードは少し特殊な事例ですが、圧倒的に中古車の方がコスパが良いことがわかります。

ブーまる

特殊な事例ってなんだブー?

アルファードは2023年にフルモデルチェンジを実施し、車両価格が150万円ほどアップしました。

最近はモデルチェンジで大幅値上げするケースも珍しくなく、旧モデルの中古車の安さが際立つことがあります。

また新モデルはほとんど値引きがないため、新車は負担額が増加してしまうのです。

アルファードは何年経っても需要があるので、中古で買って10年乗っても高値で売れるというメリットもあります。

これがライバル車のエルグランドだと、買取相場は26万円まで落ち込みます。

新車と中古車のコスパ比較は、選択する車種によっても大きく異なるので、自分で検討している車種のシミュレーションを行うことをおすすめします。

【お客様実例】新車を買って失敗(後悔)した人

新車を購入して後悔する人は、大半がグレードやメーカーオプションの選択ミスです。

筆者が営業をしている中で、新車を買って後悔している人の事例を3つほどご紹介します。

1.グレードの選択をミスした人

グレードや後付できないメーカーオプションの選択をミスする人は、購入後に後悔されています。

筆者は営業マンとして働く上で、なるべくお客様の希望や日頃の車の使い方をヒアリングしてからグレード選択をしています。

しかし中には、購入時には想定していなかったことが購入後に発覚するというケースもあります。

筆者が担当したお客様の中では、カローラツーリングを新車で購入した方の事例がそれに該当します。

安全運転支援システムの1つ「BSM(ブラインドスポットモニター)」というものがあるのですが、新車注文時にしか装着できないオプション品です。

そのお客様は「いらない」とのことで装着されませんでしたが、納車後に「やっぱり欲しかった」と後悔されていました。

しかし後付できないオプション品なので、結局後悔しながら車に乗られています。

ブーまる

少しでも気になるならつけた方がいいブー

2.ローンで購入したが支払いができなくなった人

筆者のお客様で実際にあったのが、身の丈に合わないローンを組んでしまった事例です。

アルファードを購入された方でしたが、グレードをワンランク上げたことでローンの支払いが1万円ほどアップしました。

その場では「1万円くらいなら…」と言っていたのですが、月々1万円の出費は意外と痛手です。

当てにしていたボーナス払いも、会社の業績不振でボーナスカットとなり、結局初回の車検を待たずに手放すことに、、

なるべくこうしたことが起きないようにディーラーマンも収支のアドバイスはしますが、最終判断はお客様ですので年に数回ほどこうしたケースが発生します。

3.ライフスタイルが変わって車を使わなくなってしまった人

車はその時のライフスタイルに合わせて車種選びをする人が大半です。

アウトドアがマイブームであればSUV、旅行が趣味ならミニバンを選ばれる方が多いです。

お客様の中で印象的だったのが、結婚の予定もないからと国産のスポーツカー(MT)を買われた方。

1年後に急遽結婚が決まり、スポーツカーは手放すことになりました。

おめでたい理由だったので後悔はしていませんでしたが、「もう少し乗りたかった(涙)」という後悔はされていました。

ブーまる

スポーツカーは人気もあり高く売れて結果オーライだったブー

【お客様実例】中古車を買って失敗(後悔)した人

1.買ってすぐに壊れて修理代を払えず売却した人

就職直後に、昔からの憧れだったという国産スポーツカーを購入されたお客様の事例です。

1990年代のスポーツカーは値上がりしている影響もあり、旧車といえども新車のスポーツカーが買えるほどの金額で売買されています。

そのお客様は免許を取ったばかりでしたが、車に興味を持つキッカケになったその車がどうしても欲しいとのことで、多額のローンを組んで購入されました。

しかしその後1年の間に、フレーム損傷やターボブロー、ミッション不調などが次々と発生しました。

はじめのうちは貯金でやりくりされていましたが、車が壊れるペースの方が早く、結局2年絶たずに廃車になりました。

過酷な環境で使われていた車ということもあり、フレームが損傷しており買い取り手がいなかったため廃車でした。

ブーまる

昔からの夢とはいえ、あまりに悲しい結末だブー

2.安い中古車を買ったら水没車だった人

筆者のディーラーは整備工場も完備しているため、修理目的でご来店される方も数多くいらっしゃいます。

中古で買ったハイブリッドカーを持ち込みされたお客様の事例ですが、エアコンから嫌なニオイがするとのこと。

整備工場で確認をしたのですが、フィルターを開けたら真っ黒なカビだらけ、、

交換してもニオイが取れず、インパネをバラしてみたところ浸水した跡が見つかりました。

さらにバラしてみたら水没車ではないかとの結論に至り、エアコン修理に多額の費用がかかることもあり廃車となりました。

ブーまる

相場より安かったからよく確認しないで買ったと言っていたブー

3.もっと安い中古車を後から見つけてしまった人

これは中古車あるあるというべき事例なのですが、買った後にもっと条件の良い車に出会ってしまうというケースがあります。

中古車は定価がないので1台ごとに金額が異なります。

仕入先や販売元の利益分によっても値段が変わるので、同じ価格の中古車というのは存在しないのです。

お客様が購入されたのは中古のステップワゴンだったのですが、1ヶ月後に安くて走行距離が短いものを見つけてしまったと嘆いていました。

筆者はお客様に「でもこの1ヶ月で作った思い出はプライスレスですよ」と伝えたところ「うるさい(笑)」と怒られてしまいました、、

ブーまる

励ましになっていないからなのでは?だブー

お客様から寄せられるよくある質問

新車と中古車どっちがおすすめ?

現役ディーラーマンの筆者は新車をおすすめしています。新車はメーカー保証があるのでメンテナンス費用の心配がいりません。またリセールも高いので乗り換えるときに高く売れるというメリットがあります。

中古車って壊れますか?

中古車だから壊れるとは言えません。もちろん車が古くなればなるほど故障のリスクは高まります。壊れるものと割り切って、保証付きの中古車を買うのが正しい対策です。

新車と中古車トータルコストを比較するとどっちがお得?

軽自動車は新車ですが、それ以外だと中古車の方がトータルコストは低くなります。しかしシミュレーションでは故障した場合の修理費用を含んでいないため、こうしたものを考慮すると逆転する可能性があります。

長く乗るなら新車と中古車どっちがおすすめ?

長く乗るなら断然新車です。新車はメーカー保証がついてきますし、新車時からしっかりメンテしている車は長持ちします。中古車は前オーナーがどんなメンテナンスをしてきたのかわからないので、長く乗るのであれば適しません。

軽自動車の中古車ってどうですか?壊れますか?

軽自動車だから壊れるということはありません。しっかりメンテナンスを受けてきた車両なら壊れませんし、そうでないなら壊れます。過去のメンテナンス履歴、年式、走行距離がポイントになるでしょう。

まとめ

  • 新車と中古車と迷ったら現役ディーラーマンの筆者は新車をおすすめする
  • 新車のメリットは最長5年のメーカー保証と最新の運転支援システムが搭載されていること
  • 中古車のメリットは車両価格の安さと傷や凹みを気にせず乗れること
  • 新車を買って後悔するポイントはグレード選択のミスとローンの返済額
  • 中古車を買って後悔するポイントは故障とメンテナンス費用の高さ
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この記事を書いた人

ブーまる編集部では、実際に車を売ったり買ったり、自分で直してみたり「やってみた」を大事にしています。中古車系記事の監修は、一般社団法人日本リユース業協会の実施するリユース検定に合格した「リユース営業士」が行っています。整備記事の一部は、現役ディーラーマンが監修や執筆を行っています。

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