夏は車のエアコンが活躍する時期ですが、悩みはスイッチを入れた瞬間に漂う不快な臭いです。
吹き出し口の表面を拭いても臭いは消えず、芳香剤を置いたらかえって悪臭と混ざってしまうことも。
諦めていた方は多いと思いますが、エアコンの内部にカビやバクテリアが繁殖するための臭いで、エアコンの構造が関係しているのです。
放置すると最悪の場合、気管支喘息などの健康被害が待っています。
応急的な対応から根本的なものまで、エアコンの臭いの消し方をマスターして、快適なドライブを楽しみましょう。
エアコンの嫌な臭いの原因ってなに?
夏は車のエアコンを使う機会が多くなりますが、悩ましいのはスイッチを入れた瞬間から漂う嫌な臭いです。
正体はエアコンの構造が関係していて、分解しない限り臭いは除去出来ません。
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臭いの正体はカビとバクテリア
車のエアコンは冷媒というガスが冷たい空気を生成する過程で、多量の水分を発生します。
水分はドレンホースから車外へ排出されますが、強制的に車外へ出す仕組みではないので、水分がエアコンの内部に残ることは避けられません。
内部は湿度が高く、ヒーターの熱で温められると多量のカビやバクテリアが繁殖して、エアコンをつけると嫌な臭いは室内に充満します。
カビやバクテリアはエバポレーターを分解しないと除去出来ないのです。
タバコのヤニも原因になる
スモーカーがタバコを吸いながら運転すると、含まれているニコチンやタールなどの化学物質が悪臭の原因になります。
また健康増進法による受動喫煙防止で分煙が進んでいる通り、スモーカーのそばに近づくだけでも臭いが付くように、密閉された車内では簡単にシートや天井に煙が付着します。
エアコンだけじゃない車内の不快な臭いの原因
他にも汗やフロアマットの汚れに加え、車内で食事した時の食べこぼしや同乗させたペットも車内の不快な臭いの原因で、マメに車内の清潔を保つ必要があります。
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シートに染み付いた汗や汚れ
身体が汗をかくと、意外と簡単にシートの表面に汗が染み込みます。
シートに染み付いた汗はもう行き場が無くなるので、汗が染みた靴下のようにシートから臭いを放つのです。
フロアマットの汚れ
フロアマットの汚れもバカに出来ません。雨が降った時、靴に付いた泥が付着する他、雨が続くとフロアマットが雨水で湿り、放置すると徐々に臭いを放ちます。
マットに付着する食べこぼしも臭いの元です。またマットを水洗いした時、乾燥が充分でないと臭いを放ちますね。
食べ物の臭い
密閉された車内で不用意に食事すると臭いが籠ります。湯気が湧くカップラーメンやレンジで加熱したお弁当などは、湯気が天井にこびり付いて臭いの元になるのです。
食べこぼしがフロアマットに落ちると、ダニや雑菌が湧いて不潔です。食事する時はこぼしにくいものを選び、ビニールやポリ袋も利用しましょう。
ペットの臭い
ペットを同乗させる方はとても多いですが、マメにシャンプーしても毛や排泄物がシートに付着すると悪臭の元になります。
また動物自体が臭いを放つので、たとえケージに入れたとしても、ペットを乗せた後は必ず車内を掃除しましょう。
体臭や香水などの臭い
体臭や強い香水も悪臭の元です。香りの強い香水をつけていると、シート表面に浸透します。
本人は気にしないかも知れませんが、たまにしか乗らない同乗者にはとても気になるでしょう。
最近キツい臭いはスメルハラスメントと指摘されています。人間関係が悪化しないよう注意して下さい。
車内の臭いを消臭する方法
不快な車内の臭いを消すには、消臭剤などの応急処置から臭いの元を絶つ根本的な対応まであります。
エアコンを使う夏が到来する前に根本的に臭いの元を絶てば、エアコンをつけた時により快適になりますよ。
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なぜエアコンから酸っぱい臭いが出てしまうの?
エアコンの内部にあるエバポレータに埃や塵、花粉が溜まるとカビやダニが繁殖して、菌やダニの死骸が発生します。
付着した埃がエアコンの水分で湿気ってカビ臭くなり、エアコン内部で冷やされた空気が吹き出し口から車内へ出る時に、酸っぱい臭いも一緒に出て来るのです。
エアコンの臭いを消す応急処置
エアコンの不快な臭いが気になる時は、とりあえず応急処置で対応しましょう。
暖房を最大風量で運転する技から芳香剤まで、すぐ使えるテクニックを紹介します。
最大風量で暖房運転
エバポレータの内部に結露した水分が残るためにカビが発生するので、エアコンの暖房を入れて内部を乾燥させれば臭いを消すことが出来ます。
窓をなるべく全開にして、エアコンの暖房を最大温度最大風量で、できれば10分間エアコンを動かすとエバポレーターの内部が乾燥しますよ。
カーエアコン用消臭スプレーを使う
消臭スプレーを吹き出し口に差し込んで噴射すれば、ひと吹きで臭いを除去出来ます。
長いノズルでエアコンの奥深くまで噴射出来るので、臭いの元に近づく効果がありますよ。
但し奥までスプレーが届かないことがあるので、時々は内部の洗浄が必要です。
車内の空間やシートにも噴射出来るので、有効に使いたいですね。
スチーム消臭剤を使う
煙を炊いて車内を消臭するタイプです。助手席側の空気を循環させる取込み口近くに設置し、エアコンの力で消臭剤を散布する仕掛けです。
エンジンを動かしてエアコンを内規循環に設定し、窓を閉めて煙を車内に浸透させます。
終了したら窓を全開にして換気しましょう。車に乗る直前に行うと気分が悪くなるので、前の日に行うと良いですね。
芳香剤を使う
芳香剤は手軽に臭いを軽減でき、液体・固形・吹き出し口に取り付けるタイプ・ゲルタイプ・吊り下げタイプ・エアコン取り付けタイプなど様々です。
但し次のようなデメリットもあります。
- 液体はこぼれるとダッシュボードが変色
- 固形は香りがかかなか広がらない
- ゲルタイプや吊り下げタイプは香りが持続しにくい
- エアコン取り付けタイプはONの時しか香らない
エアコン取り付けタイプ以外は、出来るだけ高い位置に置くと効果が出ますよ。
エアコンの臭いを元から断ち切る
不快な臭いから逃れるには、臭いを元から断ち切るのがベストの対応です。
エバポレーターの洗浄からフィルター交換などありますが、自分では不安な時は業者に依頼する手もありますよ。
エアコンのエバポレーターの洗浄
エバポレータは外部との温度差から結露でカビが発生しやすく、また消臭スプレーを使ってもエバポレータの奥までスプレーが届かないことがあるので、専用クリーナーで洗浄しましょう。
作業時間は30分くらい、交換頻度は冷房を使う前の6月と使い終わる秋に行うのがベストです。
エアコンフィルターが汚れていたら、同時に清掃または交換すると良いですね。
エアコンフィルターの洗浄や交換
エアコンフィルターは外部の埃や排気ガスを取り込んで想像以上に汚れています。
前回の交換から走行距離10,000km、もしくは1年後、どちらか早く到来した時期に洗浄または交換しましょう。
エアコンフィルターの洗浄または交換手順は、助手席側の足元にあるグローブボックスを外して交換します。要領は車種により異なるので確認しましょう。
ブロアファンの洗浄
エアコンフィルターやエバポレーターだけでなく、臭いが気になる時は外気を取り込むブロアファンの洗浄も行いたいですね。
汚れているとエバポレーターで冷えた空気が、汚れたファンで車内に送られることになります。
モーターを外さないと水で死んでしまうので、外す手間がかかりますが、水洗いするだけでキレイになりますよ。
クリーニング業者に頼む
自分で作業するのが不安な時は業者に依頼しましょう。
相場としてフィルター交換5,000円〜、エバポレーター清掃6,000円程度、高圧洗浄8,000円~9,000円程度ですが、業者によって異なるので見積りを取りましょう。
ディーラーやカー用品店ではカビやバクテリアを除去する専用機器を用意する所もあり、エバポレーターを分解しないでエアコンの吹き出しから機器を射し込んで洗います。
費用は4,000円から10,000円程度で可能です。
こまめにエアーメンテナンスするのが効果的
エアコンの臭いは健康被害に至るので、エアコン内部を乾燥させて臭いを消しましょう。
またシートも汗が染み込むと臭いの元になるので、マメに拭き掃除します。フロアマットも食事の食べこぼしや雨水が付くと臭うので、時々は洗うと良いですね。
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放っておくと危険!?体に及ぼす悪影響とは?
たかがエアコンの悪臭と油断してはいけません。カビやダニが原因ですから、最悪の場合健康被害に至ります。
カビが原因で換気装置肺炎や気管支喘息、アレルギー性鼻炎などの病気を発症するのです。
乳幼児が万一発症すると、上手く症状を伝えられないので知らぬ間に重症化する危険も孕んでいます。
最大風量でエアコンのカビやホコリを追い出す
すぐにでも臭いを消したい応急処置として、最大風量、最大温度で暖房をつけてエバポレーター内部の水分を乾燥させましょう。エアコン内部の湿気が乾燥して臭いも軽減します。
窓を開けると換気を兼ねてカビや埃も車外へ排出されます。あくまで応急処置なので、時間が経つと再び臭いが発生します。後で根本的な対応を心がけて下さい。
シートをこまめに拭き掃除する
悪臭を抑えるために、シートはマメに拭き掃除しましょう。重曹を溶かした水を雑巾で絞ってシート表面を拭き取ると、かなりの効果があります。スプレーで吹きつけるのも有効ですね。
尚革製のシートに使用すると変色するので、使用しないで下さいね。
フロアーなどシート以外の内装も掃除する
エアコン内部だけでなく、フロアマットに付着した泥汚れや食べこぼしを放置しないことも大切です。
月に一度で良いので車内を掃除するついでに、フロアマットも洗浄すれば臭いを元から断ち切ることができますよ。
エアコンフィルターを定期的に交換する
エアコンフィルターは想像以上に汚れるので、定期的に交換しないと付着した汚れが車内に持ち込まれるのです。
エアコンフィルターの交換は、車のメンテナンスの中でも難易度は低いので、自分で交換することをお勧めします。
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エアコンフィルターの交換時期は?
エアコンフィルターの交換は走行距離10,000kmまたは前回の交換から1年後、どちらか早く到来した方です。
汚れが酷くなければ清掃で大丈夫ですが、埃が積もっていると洗っても臭いは取り切れないので交換しましょう。
交換する季節はいつが良い?
エアコンフィルターの交換時期も、エバポレーターの清掃同様エアコンを本格的に使い始める梅雨入り前、5月下旬までに終わらせるとエアコンの効きが良くなります。
花粉除去性能を持つフィルターなら、花粉が飛び始める前に交換しておくと良いですね。
交換や掃除って自分でできるの?
エアコンフィルターは一部の外車を除いて、誰でも簡単に交換できる構造なので自分で出来ます。家庭用エアコンの洗浄・交換と同じくらい簡単ですよ。
ディーラーや業者に依頼しても構いませんが、作業量を考えると2,000円程度の工賃を払うのはもったいないですね。
まとめ
エアコンの臭いは放置すると健康被害を招くので、気になる時はすぐ応急処置を行いましょう。
その後で根本的に臭いの元を絶ち、普段は軽いメンテナンスを心がけれは、臭いを防げますよ。