高速道路などドライブ中に発生する虫との衝突。
フロント部分にはもちろんのこと、フロントガラスに付着するとウォッシャー液ではなかなか落ちません。
たかが虫と侮っていませんか?わざわざカー用品メーカーが専用クリーナーを出すのにも理由があります。
虫取りクリーナーの使い方や対策方法を詳しく解説します。
車に付着した虫を放置するとダメな理由
大きな動物との接触事故を起こした場合に比べれば、小さな虫との接触は走行中に気づくことも少ないでしょう。
しかしながら接触によってできる死骸の跡は放置すると厄介な代物です。
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どうして虫跡は落としにくいの?
いつの間にか付着している虫の接触や死骸跡。気づくのが遅くなってしまい、固着してしまうことで落としにくくなるのもあります。
他の汚れと違うのは成分。虫はタンパク質で体を構成しているので、死骸はタンパク質を主とした汚れになります。
タンパク質は変質しやすく、その過程で凝固することで落としにくくなります。
虫の死骸は酸を発生させる
虫の種類にもよりますが、強い酸性を持っていることがあります。
例えばアリやハチなどが持つ毒には蟻酸という成分が含まれており、読んで字のごとく蟻から抽出されたことに由来する酸性の物質。カメムシの悪臭の分泌液にも酢酸が含まれています。
これらを体内に含んでいる虫との接触が起きれば、当然その酸性の物質が付着し、放置すれば塗装面へシミを残すことになります。
そのため虫取りクリーナーの多くは中和を目的としてアルカリ成分を含んでいます。
体液が硬化すると落としにくくなる
人の血液が出血すると止血のために凝固し、やがて固いカサブタになります。
虫の体液も同じです。特に虫の場合は接触によって大きく体を損傷することで、普段交じり合わない体液同士が混ざることになります。
つまり体液の変質による凝固や硬化が起きやすいと言えるんです。
ドアミラーやバンパーも確認
フロントガラスへの接触であれば、多くの場合ガラスにも跡が残るのでわかりやすいことでしょう。
ガラスクリーナーなどがあれば比較的落としやすい場所でもあります。
一方で見逃されがちなのがドアミラーやバンパーです。
ドアミラー周辺は空気の流れが乱れやすく、小さな虫がこの流れの渦によって接触していることが多い場所。
バンパー周辺はラジエーターも含めた空気の取り入れ口なので、虫が吸い込まれるような形で衝突しています。
洗車が必要?車の虫取り方法
虫の死骸跡も汚れには違いありません。
車の汚れを落とす行為である以上は洗車といえますよね。
ただし虫の死骸跡は、通常はあまり見られないタンパク質由来の汚れなので、落とすときにはコツが必要です。
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たっぷりの泡でシャンプー洗車する
まずは落としやすい水アカやホコリ落としてしまいましょう。
流水で洗い流した後に、スポンジで泡立てたカーシャンプーを使ってを洗車します。
固着した汚れに関しても、水を含ませることで柔らかくします。
強くこするとボディにキズが付きますので、グローブタイプのブラシなどで優しく洗います。
この段階の洗車はあくまでも落としやすい汚れを落とすための作業です。
大量の水で部分的に汚れを落とす
最初の水洗いとシャンプー洗車後に、汚れが落ちるようになっていればいいのですが、固着の度合いが強いと上手くいきません。
そこで汚れている部分にペーパータオルなどをかけ、その上から水をかけて放置します。
ペーパータオルが水を保持してくれるパックとなるので、流水を必要とせずに汚れに対して水を当て続けることができるのです。
手軽にできる虫取りクリーナー
虫の死骸は、頑固な汚れなので、鳥のフンと同様に虫取り専用クリーナーが存在しています。
使い方としては汚れた部分に吹き付けるだけ。
もっと確実に薬液を汚れに当てたい場合は、水とタオルでパックして、更に薬液を塗布すれば良いでしょう。
家にあるもので虫取りクリーナーの代用品はできる?
ズバリおすすめなのが台所にある「食器用洗剤」。
虫取り専用クリーナーの主成分は界面活性剤。つまり洗剤です。多くの洗浄剤には必ずと言っていいほど含まれているものです。
数ある家庭用の洗剤ですが、その中でも食器用洗剤というのは食べ残された油やタンパク質汚れを落とすことに重点が置かれています。
虫の死骸もまたタンパク質汚れなので、食器用洗剤は相性が良いはずですよね。
洗車しても落ちないときは
虫の跡が硬化してしまうと通常の洗車では落ちないということも十分考えられます。
この場合、通常の洗車とは異なる方法を考えなければなりません。
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熱いお湯をかけて除去する
車に限らず台所の頑固な油汚れにも効果があるのは、熱を加えることです。
水と同じくタオルでパックするように汚れにあてがいます。
使用するお湯の温度としては70℃程度。
温度が高いほど洗浄力は上がるのですが、バンパーなどの樹脂系パーツは熱による変形の可能性があるので、温度が高すぎるのは良くありません。
雨の日に取り除く
雨の日に洗車をするのは通常であればデメリットのほうが多くなります。
雨の中を車が走れば、大量の水をシャワーしているのと同じことに。
さらに虫の死骸汚れも水に触れることでふやけて落としやすい状態になるのです。
落ちなくても粘土は使わない
鉄粉除去などに使われる粘土クリーナーでも虫取りをすることもできます。
ただしこの方法は塗装面に傷をつけるリスクがあるもの。
コーティングを施工での下地処理など、特別な理由でもない限りはお勧めできる方法とは言い難いプロ用のアイテムです。
虫取りクリーナーの選び方
車のボディについた虫は早めに落としましょう!
放置しておくと、こびりつくだけではなく、虫が酸性になり塗装にダメージを与えることになります😱市販の車の虫取りクリーナーやウェットシートで早めの除去を!🚗✨ pic.twitter.com/so8S54ymA2
— コバック【公式】🚗 (@kobac_jp) August 3, 2020
頑固な汚れとなってしまった場合は、やはり専用の虫取りクリーナーを使ったほうが少ない力で除去することが可能です。
少ない力で除去できれば傷となるリスクも減るでしょう。
ただ除去力の強いクリーナーは正しく使用することが肝心です。
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虫取りクリーナーの使い方とポイント
パッケージには必ず使用方法が記載されているはずなので、難しいことはありません。
クリーナーには、ヘッドライトクリーナーや窓用クリーナーなど使用する箇所の素材に合わせて種類があります。
同じ金属面であってもホイールクリーナーなどをボディに使ってはいけません。
また除去した後はクリーナーそのものを水などで綺麗に除去することも重要です。
酸ほどではないですが、アルカリ性も強くなりすぎると腐食の原因になるので注意してください。
クリーナーのタイプで選ぶ
クリーナーには、シートタイプ、液体、泡など様々な種類があります。
シートタイプは、ウェットティッシュ感覚で使いやすいと人気です。ソフト99のフクピカシリーズなどがこれになります。
車内にも携帯しやすく、汚れて居場所の素材に関わらず使えるおすすめクリーナーです。
液体のクリーナーは、ピンポイントに汚れに対して吹き付けるスプレータイプや、希釈してカーシャンプー液としても使えるものまで様々です。
ただ使っている洗浄成分の量も多くなるので、使用した後はしっかりと洗い流す必要があります。
泡タイプはスプレー容器を使って吹き付けるので、垂直面に対しても泡が密着し頑固な汚れに対しても効果が高いでしょう。
コーティング車には専用タイプ
コーティング車は洗車にも気を付けなければなりません。
洗浄力や除去力を強めたものであれば、コーティングを剥がしてしまう可能性もあるからです。
コーティング車にはコーティング専門店から提供されているコーティングコンディショナーやコーティング車専用のクリーナー液を使います。
コンディショナーには汚れの除去成分も含まれているので、コーティングを維持しながら虫の死骸に対しても使えます。
アルカリ性のクリーナーなら強力に除去できる
多くの虫取りクリーナーは、酸性の汚れを中和して分解する目的でアルカリ性の成分を含んでいます。
その中でも、より除去力を強めたアルカリ性クリーナーなら頑固な汚れにも効果を発揮します。
ただし除去力が強いクリーナーは、コーティング車には不向きですし、アルカリ性の成分を残さない念入りな水洗いも必要になってきます。
車に虫が付きにくくする方法ってある?
走行中に虫と接触したことに気付かないことも多いので、虫を認識してから回避行動をとるのは不可能ですよね。
ただ意図的に回避行動をとるのは無理でも、予防策を行うことはできます。
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虫がつきそうなエリアは速度を落とす
虫が死骸となってしまうのは車との相対的な速度差が大きいからです。
速度差が低ければ体の軽い虫は潰されることなく車体表面の風の流れに沿って流されていく、もしくは衝突しても潰れることはなくなります。
虫がつきそうなエリアですが、自然豊かな場所、つまり山間部、田んぼ、大きな川などには種類こそ違いますが虫は多く生息します。
こうした場所があるエリアでは速度を落としましょう。
また夜は虫の方から車に向かって飛翔してくる時間帯。ヘッドライトから出る紫外線を、月明かりと勘違いして虫が飛翔するためです。
更に紫外線と虫の寄り付きという点では、道路上にある街灯にも注意したいですね。
オレンジ色やLEDの街灯は紫外線の量が少ない光なので、虫を寄せ付けない光源として採用されています。
ワックスやコーティングをする
熱したフライパンにそのまま生卵を落とすと焼き付いてしまいますが、油を塗っておけばそうはなりません。
車で言えばこの油に相当するのがカーワックス。
タイヤワックスなども含めたワックスは、元々落ちるのを前提とした犠牲膜と言われる油脂性の保護膜です。
カーシャンプーを使えばワックスの表面についた汚れと共に簡単に洗い落とせます。
より長寿命で強固な保護膜を求めるのであれば、ワックスタイプではなくコーティングを使うと良いでしょう。
コーティングもまた保護膜として機能し、表面が滑らかになることで汚れなどが固着しにくくなります。
対応を誤ると大きな代償を払うことに
一見すると虫との接触は小さなアクシデントのように思えます。しかしその後の対応を誤ると、非常に大きな代償を払うことに。
虫の死骸は頑固な汚れですが、落としやすくする方法や虫取り用品があるのでうまく活用したいところ。
また余裕があればワックスやコーティングを施し、虫との接触に備えておくとより落としやすくなり維持管理が楽になります。
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