クルマを運転しているときに、恐ろしいことのひとつが運転中に突然襲ってくるくしゃみです。
鼻がムズムズしてきたと思ったら我慢できなくなり、クシュン!くしゃみが出る瞬間には前が見えなくなり、ヒヤっとします。
運転中に鼻がムズムズしてきたら、くしゃみを完全に止めることは難しくても、抑える方法はあります。
花粉症の時期にヒヤっとしないように、今からできることを実践してください!
運転中のくしゃみで起こした事故は、過失がないか?
「運転中のくしゃみは突発的な生理現象なので、過失はない」という見方もありますが、実際はどうでしょうか。
予測することで、起きる結果を回避できるという見方に立つと、くしゃみでハンドル操作を誤ることが予測できます。
くしゃみが出そうになったら、減速して安全な場所にクルマを停め、事故を回避することがドライバーには求められます。
くしゃみを理由に、交通事故の責任を回避することはできないのです。
花粉症の薬が、運転に及ぼす深刻な影響
春になって花粉が飛ぶ時期は、花粉症のドライバーには悩ましい時期です。花粉症の薬は、眠くなるなどの副作用があります。
道路交通法66条は、病気を治すための薬が運転に影響する場合、運転を禁止しています。
花粉症で処方された薬を服用するケースは、まさしく道路交通法66条にあてはまるので、薬を服用したあとは、クルマを運転してはいけません。
2017年4月、愛媛県松山市内で、運転中に花粉症のくしゃみが原因で3人が死傷した事故で、松山地裁は「症状が出た時点で運転を速やかに中止すべきだった」として、禁固3年、執行猶予4年の有罪判決を言い渡しています。
花粉症以外にも、薬の服用後にクルマの運転を控えるよう注意する症状はたくさんあるので、処方せんをよく確認してください。
くしゃみを防ぐために、すぐできる方法
薬を服用したら、クルマを運転してはいけないのはわかりますが、花粉症の時期に、運転中に突然くしゃみが出そうになるのは危険です。
筆者はまだ花粉デビューしていませんが、運転中に鼻がムズムズすることは時々あります。
時速40キロで道を走っていると、クルマは1秒間におよそ11メートル進むので、くしゃみで前が見えなくなれば、何か起きるには十分な距離です。
くしゃみが出そうになったら、筆者は瞬間的に息を止め、鼻からのどへ空気を送る感覚で息を飲みこみます。よく効きます。
どうしても薬を服用しなければいけないときは、個人差がありますが、だいたい服用から30分~1時間で眠くなるので、服用後6~8時間経ってからクルマを運転するようにしましょう。
今からできる、花粉症の時期のくしゃみ対策
花粉症の時期の基本的な対策は、うがいと手洗いを励行することです。
ほかに強力な対策は、花粉がダッシュボードに付着するとくしゃみが出やすくなるので、モップやウエットシートを使ってダッシュボードや座席をていねいに拭き取り、花粉が飛散しないようにしましょう。
エアコンフィルターの吸気口を、花粉を除去するタイプのものにとりかえることも、花粉によるくしゃみを防止します。
車載タイプの空気清浄機も、花粉症の時期のくしゃみを抑えます。
ドリンクホルダーに設置する、エアコンの吹き出しに設置するなど、色々なタイプがあります。自身のクルマに合うタイプを探してみてください。
まとめ
・花粉症など、副作用で運転に影響する薬を服用すると道路交通法違反となるので、運転してはいけない。
・くしゃみが出そうになったら、息を一瞬止めて、鼻からのどへ空気を送る感覚で息を飲みこむ。
・花粉症の薬を服用したら、服用後6~8時間経ってからクルマを運転する。
・花粉症の時期には、うがいと手洗いを励行する。
・モップやウエットシートで、ダッシュボードの花粉をていねいに拭き取る。
・エアコンフィルターの吸気口を、花粉を除去するタイプのものにとりかえることも、くしゃみを防ぐには有効である。