コンビニや、大型商業施設の駐車場で駐車スペースを探しているとき、または駐車スペースから出ようとしたとき、突然、車がバックしてきた(または歩行者がスッと出てきた)!
ヒヤリ…という経験ありませんか?
実は、駐車場で起きる交通事故は、事故全体のかなりの割合を占めています。
駐車場の事故は、事故の処理にも、公道で起きた事故とは違う対応をする場合が多いのです。
この記事では、以下の3点を中心に解説してきます。
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万一、駐車場で交通事故を起こした場合、どのような処理が行われるのか、駐車場で運転する際に気をつける術とならんで、ぜひ知っておいてくださいね!
駐車場は交通事故の巣窟である理由
駐車場は、実はとても事故が起きやすいのです。
道路の上では車は流れに乗って走っていますが、駐車場の中では駐車スペースを探している車や出庫する車に加えて、一旦停止して横断する歩行者を待つ車など、道路の上以上に不規則な動きをしています。
コンビニなど、広い割に歩行スペースが明確に区分されていない駐車場では、車を降りてから店の中に入るために、駐車スペースを横切る歩行者がいます。
歩行者がこどもの場合、バックで車を出すときに死角に入って気がつかないことがあり、事故がひんぱんに起きない方が不思議なのです。
ある地域で、保険金が支払われた交通事故の件数を調査したところ、およそ30パーセントの事故が駐車場で起きたという統計があり、駐車場での運転は特に注意が必要であることを示しています。
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駐車場でぶつけた!相手がいない場合は?
一般的な接触事故であれば、ぶつけた相手がいないことはありません。
ただ駐車場の場合、相手が車にいないことがほとんどですよね。
「いつになったら戻ってくるのか…」車の持ち主が現れるまで待つのは現実的ではありません。
ショッピングセンターなどであれば、店内放送で呼びかけてもらうのも方法の一つ。
待てない事情がある場合には、連絡先を記したメモをワイパーに挟んで、連絡がつくようにしましょう。
事故の相手に「当て逃げだ!」と思われない対処が必要なのです。
ただしトラブル防止のために警察に連絡して処理してもらってください。
また、傷など事故の状況がわかるように、スマホなどで写真を撮っておくのも後々の解決に役立ちます。
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駐車場で起きた事故は警察に届けなくていい?!
大部分の駐車場は私有地にあたることから、道路交通法の適用を受けません。任意保険でも、私有地内の事故は対象外と規定されている場合があります。
私有地で起こった交通事故は「交通事故」にはあたらず、警察も保険金の受け取りに必要な事故証明書を発行しません。
自賠責保険も私有地の事故は対象外であり、駐車場内の交通事故は基本的には警察へ届け出る義務がないことになります。
示談で済むような軽微な事故なら、警察に届けなくても良いかもしれません。
しかし、私有地内で起きた事故でも、他の車両やフェンスに衝突や人身事故の場合は、駐車場の管理者だけでなく警察に届けないと報告義務違反となります。
この場合、「駐車場の当て逃げ」となり、更に罰則が重くなるので、逃げてはいけません!
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警察以外にも、管理人や土地の所有者に報告は入れておきましょう。
月ぎめの駐車場では、他のクルマも巻き込む場合があるので、クルマの所有者に連絡をとる必要があるからです。
公道にあたる駐車場なら保険適用もある
駐車場の全部が、私有地にあたるわけではないのです。
大型商業施設や店舗の車道部分、コンビニの駐車場で起きる交通事故は、不特定多数の人の通行があり、車両もかなりの数の出入りがあります。
したがって公道にあたるとみなして保険金の支払い対象とするケースがあります。物損事故の場合は、対応可能な場合が多いです。
人身事故は、事故証明書が発行されなければ「人身事故証明書入手不能理由書」という書類が保険会社から送られてくるので、それを記入して保険会社に返送します。
不幸にして事故が起きる前に、自分の加入している保険の契約内容をよく確認しておきましょう。
また、保険を使うと保険料があがるので「車両保険の仕組み」も確認しておいてください。
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駐車場内の事故は、過失割合の独特の計算方法がある
道路の上で起きた交通事故は、過去の事故の事例によって状況ごとの過失割合が決まっています。
しかし駐車場内での事故は、被害者・加害者どちらも低い速度で車を走らせていて起こることが多く、どちらにも不注意があったとみなして、双方が「50:50」に近づくように過失割合を計算する場合が多いのです。
たとえば、通路の交差点で出合い頭での車同士の衝突事故では、基本の過失割合は「50:50」となります。
一般道路の交差点であれば「左方優先」というのが道路交通法にありますが、駐車場の通路では適用されません。
つまり、駐車場の事故では、「10対0」になるケースは稀といっていいでしょう。
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具体的に確認してみましょう。
入庫や出庫している場合の過失割合は?
入庫と出庫では、同じ接触事故でも過失責任の重さが変わってきます。
基本的には、出庫車のほうが、相対的により重い過失責任を負うことになります。
もちろん、相手側である通路進行車に著しい過失がある場合には、10~20%の過失相殺がされます。
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- 出庫車:70
- 通路進行車:30
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- 入庫車:20
- 通路進行車:80
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出庫車の運転者には、入庫車より重い注意義務が課されているのがわかりますね。
バック時の事故はどうなの?
駐車場内でバックしてきた車にぶつけられたケースではどうでしょうか。
相手が全面的に悪いと言いたくなりますが、駐車場では公道で起きた事故以上に慎重な運転が必要です。
後方車のあなたには、前方に車を発見したら近づかない、自車に近づいてくると予見してそれ以上前へ出るべきではなかったなど、事故に対する注意・予見・回避義務にどれだけ努めたかが問われます。
つまり、保険金も過失相殺されて支払われることになります。
ドアの開閉や停まっている場合は?
過失割合が「100:0」になるのは、ドアの開閉や駐車スペースに停めていてぶつけられた場合に限るようです。
歩行者も、駐車場内ではクルマが行きかっているので、歩行中の事故は注意義務を問われます。
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駐車場の事故でも点数に影響ある?
駐車場は基本的には私有地で、事故は警察に届ける義務はありません。
人身事故では被害者のケガの程度や、被害者にも過失があるかによって2~20点が加算されますが、道路交通法の適用を受けないのなら、点数はどうなるのでしょうか?
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道路外の事故は点数加算なし
道路外で起こした事故には、違反点数の加算はありません。
道路交通法が適用されないので、違反点数を加算しようがないからです。
「点数が加算されないならよかった…」そう思いたいところですが、責任がないかというと、もちろんそんなに都合のよい話はありません。
人身事故(道路外致死傷)だと免許取り消し処分の可能性も
駐車場など、道路外で人身事故を起こすと「道路外致死傷」となります。
違反点数の加算も、反則金・罰金もありませんが、被害者にケガを負わせたり死亡させたりすると、公道上の事故と同じように被害者に対する賠償責任が発生します。
最悪の場合免許取り消し処分を受ける可能性もあり、相手のケガの程度によっては、重大事故には変わりないのです。
駐車場の事故は自分で示談交渉して大丈夫?
駐車場での事故は、道路交通法が適用されず、事故証明書も発行されません。
相手ともめたときは、自分で示談交渉すべきなのでしょうか?
自分で示談交渉するのは、法律の知識も交渉術も乏しい上に、事故を起こした負い目と相手に対するプレッシャーで不安になりますよね。
基本的に加入している任意保険は使えるので、保険会社に連絡して、示談代行サービスで対応してもらいましょう。
もし心配なら「【事故にあったらどうする?】被害者がやられ損にならない9つのポイント」の記事を参考にしてみてください。
ケースによっては、任意保険で対応できないことがあります。そんなときは弁護士に相談するという選択肢もあります。
一切の窓口が弁護士になるので交渉のストレスがなく、むしろ判例など知識の豊富な弁護士の方が、納得いく結果が得られる場合があります。
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駐車場内の事故を防ぐカンタンな心がけ
大型商業施設の駐車場は、制限速度は時速8キロという駐車場が多いですが、この速度を守っていつでも停車できる心づもりをしておくことが重要です。
過失割合の計算は、どれだけ注意義務に努めたかということが厳しく問われるので、「大丈夫だろう」「相手が避けてくれるだろう」という、希望的観測による「…だろう」運転に陥ってはいけません。
「車両保険を使うと小遣いダウン!家計を圧迫しない自動車保険の新常識」でも説明していますが、保険を使うと等級がダウンして保険料があがります。
駐車場内では、「相手を信用しない」くらいでいた方がよいでしょう。
また、こどもは死角に入って気がつかないということも多いです。同乗者がいれば、バックしてクルマを出す場合は同乗者にも周囲を確認してもらうようにしましょう。
駐車場の中では、ドライバーも歩行者になります。運転中と同じように「クルマが気づくだろう」という「…だろう」行動をしないこと、こども連れの場合は一人で歩かせないことを心がけましょう。
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駐車場でも注意は怠らない
- 駐車場は交通事故が起きやすい
- 駐車場の事故は警察に届ける義務はないが届けた方がよい
- 駐車場内の事故の過失割合は、独特の計算方法で算出する
- 駐車場内では、いつでも止まれる速度を保つ
駐車場内での交通事故は、届け出の義務はないとはいえ、他のクルマやフェンスにぶつけた、または人身事故の場合は必ず警察に報告しましょう。
怠ると警察への報告義務違反となり、更に罰則が重くなります。
大型商業施設やコンビニの駐車場で起きる交通事故は、道路交通法が適用される可能性があります。事前に保険会社に確認しましょう。
駐車場では前のクルマが急にバックしたり、子どもは死角に入ったりするので、希望的観測に頼った運転をしてはいけません。
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