高速道路または一般道路に設置されている、スピード違反を取り締まるオービスが真っ赤に光った瞬間「どうしよう」と血の気が引きますよね。
初めてオービスを光らせた初心者ドライバーだったら「逮捕されるかも」とドキドキ…
オービスを光らせたことがないドライバーも、いつかは他人ごとでなくなるかも知れません。
オービスは何キロオーバーで光るのか、光るとどうなってしまうのか、この機会にぜひ覚えておきましょう!
オービスは時速何キロオーバーで光るのか?
オービスは、一般道路では制限速度を時速30キロ以上、高速道路では40キロ以上オーバー、即ち一発で免停となる速度で光る設定が多いとされています。
ただし、24キロオーバーで出頭命令がきた例もあれば、出頭したときに警察官から「35キロオーバーで設定している」と説明された例もあり、設置している警察によって異なるようで、一律に何キロオーバーで光るとはいえません。
そこで、警視庁が2023年に公開した「道路交通法違反の取締り状況」から、スピード違反の取締り状況をご紹介します。
速度違反 | 取締り件数 |
---|---|
15km/h未満 | 78 |
20km/h未満 | 277,769 |
25km/h未満 | 292,723 |
30km/h未満 | 183,204 |
50km/h未満 | 122,218 |
50km/h以上 | 12,508 |
この表から読み取れる点は以下の3つです。
15km/h未満の速度超過はほとんど取り締まられていない
警視庁の取締り実績を見ると、超過した速度が15km/h未満の場合はほとんど検挙されていません。
理由は公表されていませんが、公道を走っている車の大半がこの程度の速度超過をしていると考えられます。
全て捕まえていたら警察はパンクするブー
特にオービスが設置されている高速道路や幹線道路では、警察が設定している制限速度と実際の流れは乖離しているケースが大半です。
こうした状況で15km/h未満の速度超過まで取締りをしたら、多くの人からクレームが発生するのは容易に考えられます。
警察としては「サッサと終わらせたい」と思っており、捕まった方も「確かに今日はスピードが出すぎていた」と納得するような速度を取締り対象にしていると考えられます。
全体の6割以上が15〜24km/hオーバー
警視庁のデータを見ると、スピード違反で検挙されている約6割以上が「15〜24km/hオーバー」となっています。
これくらいの速度超過となると、捕まった方も「確かに今日はスピードが出すぎていた」と感じるのかもしれません。
24kmオーバーというのは、60km/h制限の道路なら84km/h、100km/h制限の高速道路なら124km/h出ていることになります。
これは確かに飛ばしすぎだブー
これほどの速度超過をしていれば、周囲と比較しても明らかにスピードが出すぎている状況といえます。
オービスは大量に通過する車両の中から、特に飛ばしている1台を撮影する機械です。
周囲の流れよりも早ければ、オービスの”餌食”になってしまうということでしょう。
50km/h以上の速度超過も取り締まられている
警視庁が公開しているデータによると、50km/h以上のスピード違反もしっかり取り締まられています。
風の噂で「オービスは飛ばしすぎている場合は写真撮影できないから取締りには遭わない」と聞いたことはありませんか?
実はそんなことはなく、50km/h以上の速度超過もバッチリ撮影できてしまうのです。
2024年8月には、115km/hオーバーで逮捕された人もいたブー
北広島市西の里の国道274号線で法定速度の60キロを大幅に超える時速175キロで乗用車を運転した道路交通法違反の疑いがもたれています。
※引用:NHK「北広島市の国道を時速175キロで走行した疑いで逮捕」より
警察の調べに対して容疑を認めたうえで、「家に早く帰りたかった」と供述しているということです。
移動式の「オービス」と呼ばれる取り締まり装置で速度違反が見つかり、警察が運転した人物を捜査していました。
最新のオービスは、360km/hでも撮影できてしまうといわれており、オービスの撮影から逃れることはできません。
否定する気も起きないほどハッキリ写るオービスの画像
オービスによる取り締まりは、運転者とナンバープレートの両方を撮影してドライバーを特定します。
今のオービスはデジタルで撮影するので、かなりハッキリした画像が撮影されます。
お恥ずかしい話ですが、筆者の弟がある高速道路を走っていて、57キロオーバーで一発免停を受けたことがあります。
出頭してオービスで撮影された写真を見せられ、「これは俺ではない」と否定する気も起きなかったと言っていました。
最近はスマホのカメラでも夜間撮影がキレイにできるようになっています。
そのことからわかるように、カメラのセンサーはどんどん進化しているのです。
つまりオービスは撮影されたら絶対に検挙されるので、撮影されない速度で走るのが最大の防衛策なのです。
オービスの取り締まりから逃げる方法はあるか
巷で噂されている「オービスから逃れる方法」は下記の3つです。
詳しくは後述しますが、結論としてはどれも不可能です。
実際にチャレンジして捕まった例もあるので、詳しくご紹介していきます。
ナンバープレートカバーを取り付ける
オービスは赤外線のカメラなので、オービスから逃げるためにナンバープレートを赤外線から遮断するカバーがカー用品店で売られていました。
しかし、2016年の道交法改正でナンバープレートにかぶせるカバーは禁止となりました。
平成28年4月1日以降、ナンバープレートについて、カバー等で被覆すること、シール等を貼り付けること、汚れた状態とすること、回転させて表示すること、折り返すこと等が明確に禁止されることとなります。
※国土交通省「~ナンバープレートを見やすく表示しましょう~」より
これによりナンバープレートカバー取り付けている時点で違法となり、警察に捕まることになりました。
それでもオービスを避けられるならどうなんだブー?
実際にナンバープレートカバーを装着して、何度もオービスに撮影されていた人が警察に逮捕された事例があります。
調べに対して男は「絶対に見つからない自信があった」と供述していたが、男が装着していたプレートカバーは粗悪品で、赤外線ストロボのパワーを上げることでナンバー透過に成功していたようだ。
※引用:粗悪プレートカバー、オービスに敗れ去るより
警察はストロボのパワーを上げて、ナンバープレートカバーをしている車でもナンバー撮影ができるように対策をしてきます。
これではカバーをしていても、オービスと警察から逃れることはできないでしょう。
マスクや手で顔を隠す
運転者とナンバープレートを撮影するのなら、顔を隠すか、変装すれば大丈夫だろうと考える人がいますが、これも通用しないと考えましょう。
警察はオービス撮影で顔を隠す行為を”挑発行為”と受け取るため、何が何でも摘発しようと必死になります。
そのため、写真に写っている車種や色から個人を特定したり、その車が通行するような時間に待ち伏せしたりします。
警察ではオービスが撮影した写真から車種を特定。札幌周辺で登録された同型車のピックアップを行い、外観の特徴点や車内に置かれた小物の位置から車両を特定。所有者の男から任意で事情を聞いていた。男は当初「自分のクルマではない」としていたが、手で隠しきれなかった“あごの輪郭”が酷似していることを捜査員が指摘。最終的には容疑を認めたため、逮捕に至った。
※引用:顔を隠してVサイン…速度超過の男を逮捕より
つまり、その場は捕まらなかったとしても”警察にマークされる”ことになるのです。
結果として他の容疑で摘発されたり、挑発行為が過激化すると逮捕されたりします。
警察は怒らせると怖いブー
バイクならオービスには捕まらない
オービスは車両の前面を撮影するため、後方にしかナンバープレートが装着されていないバイクは撮影できないといわれています。
これは事実ですが、だからといってスピード違反を繰り返すと警察にマークされます。
このため府警は待ち伏せ捜査を実施。速度超過する似たバイクのナンバーを突き止め、ヘルメットの特徴などから岡畠容疑者を特定した。同容疑者は「ナンバーが写らないので捕まらないと思った」と供述している。
※日本経済新聞「オービスにVサイン、速度超過常習 大阪府警、容疑の男逮捕」より
警察は悪質な行為と判断すると、写真から車両を割り出して張り込み捜査を行うようです。
オービスの後ろに白バイなどで待機して、スピード違反を確認したら現行犯で検挙するというのが警察のやり方のようです。
どうやっても逃げられないのがオービスと警察だブー
そもそもオービスは肖像権侵害じゃないの?
スピード違反をしているからという理由で、走行中の車と運転者の写真を撮影するのは肖像権侵害じゃないのかと思う人もいるかもしれません。
実際に同じ理由で、昭和59年に裁判を起こした人がいます。
結果としては肖像権侵害には当たらないとされたブー
速度違反車両の自動撮影を行う本件自動速度監視装置による運転者の容ぼうの写真撮影は、現に犯罪が行われている場合になされ、犯罪の性質、態様からいつて緊急に証拠保全をする必要性があり、その方法も一般的に許容される限度を超えない相当なものであるから、憲法一三条に違反せず、また、右写真撮影の際、運転者の近くにいるため除外できない状況にある同乗者の容ぼうを撮影することになつても、憲法一三条、二一条に違反しないことは、当裁判所昭和四四年一二月二四日大法廷判決(刑集二三巻一二号一六二五頁)の趣旨に徴して明らかであるから、所論は理由がなく、憲法一四条、三一条、三五条、三七条違反をいう点は、本件装置による速度違反車両の取締りは、所論のごとく、不当な差別をもたらし、違反者の防禦権を侵害しあるいは囮捜査に類似する不合理な捜査方法とは認められないから、所論はいずれも前提を欠き、適法な上告理由に当たらない。
※引用:最高裁判所「裁判例結果詳細」より
つまり、スピード違反は犯罪が行われている瞬間であるため、証拠保全をするためにも仕方ないという判決です。
その際に、たまたま隣に乗っている人が写ってしまうのも仕方がないと判断されました。
しかし警察は、こうした意見を「尊重」して、オービス設置箇所に看板を掲げることにしたのです。
違憲ではないので、あくまで「尊重」なんだブー
オービスが設置されている道路は簡単にわかる
オービスは撮影されたら確実に出頭命令が来ますし、顔やナンバープレートを隠したら捜査されるので結局捕まります。
結局最大の対策は、オービスがある場所をしっかり把握して「撮影されないこと」です。
実は、いきなりオービスが設置されているなんてことはないブー
オービスのある道路には、「自動速度取締機設置路線」などと書かれた看板があるので、誰でも事前にわかります。
オービスが設置されている場所に手前に、最低でも2個所は設置されています。
この看板が設置されている道路を毎日通っているドライバーは、オービスに注意して通行するため、全体的に流れがゆっくりになります。
さっきまで飛ばしていた車が急に減速したり、全体を見渡して飛ばしているのが自分だけのときはオービスに要注意です。
他に注意が必要なケースは、高速道路に入るとき、オービス設置を知らせる看板とオービスがある地点の間の入口から入ると、看板に気づかないことがあります。
途中の入口から高速道路に入る場合は、オービス設置を考えて慎重に走りましょう。
オービスを光らせた違反点数と罰金
オービスを光らせると、必ず行政処分があります。
ただ、間違いなく30km/hの速度違反をしているので6点以上の行政処分となり、一発免停は免れません。
オービスが光ってから免停になるまでの流れは下記の通りです。
- 出頭通知書が届く
- 警察署に出頭する
- 裁判所から出廷通知が届く
- 裁判所へ出廷する
- 停止処分者講習を受ける
基本的な流れ
出頭通知書が届く
違反から約1〜2週間後、自宅に出頭通知書が届きます。
これには違反の日時、場所、速度超過の程度などが記載されています。
指定された期日までに最寄りの警察署へ出頭する必要があります。
警察署に出頭する
指定された警察署に出頭し、事情聴取を受けます。
違反の状況を説明し、必要書類に記入します。
一般道なら30km/h未満、高速道路なら40km/h未満の速度超過であれば、青切符を交付され反則金を納めれば裁判にはなりません。
赤切符の対象となるような速度超過の場合、そのまま裁判に進むことになります。
裁判所から出廷通知が届く
警察署での手続き後、約1〜2ヶ月で裁判所から出廷通知が届きます。
これには審理の日時と場所が記載されています。
出廷は義務であり、欠席すると罰則の対象となる可能性があります。
裁判所へ出廷する
指定された日時に裁判所へ出廷し、簡易裁判所で審理を受けます。
違反の内容と状況に応じて、罰金額と免許停止期間が決定されます。
判決後、執行猶予期間を経て免許停止処分が確定します。
停止処分者講習を受ける
免許停止期間中に、指定された自動車教習所で停止処分者講習を受講します。
講習では交通安全に関する指導を受け、修了後に免許証が返還されます。
この講習は免許復活の必須条件です。
反則点数と罰金の額
反則点数と罰金の金額は一般道と高速道路で若干異なります。
一般道のスピード違反は、超過速度が30~50km/h未満と高速道路よりも若干厳しくなっています。
一般道
超過速度 | 点数 | 罰金 | 免停期間 |
---|---|---|---|
30~50km/h未満 | 6点 | 6〜10万円 | 30日 |
50km/h以上 | 12点 | 6〜10万円 | 90日 |
高速道路
超過速度 | 点数 | 罰金 | 免停期間 |
---|---|---|---|
40~50km/h未満 | 6点 | 10万円以下 | 30日 |
50km/h以上 | 12点 | 10万円以下 | 90日 |
罰金に決まった金額が設定されていないのは、簡易裁判で金額が確定するからです。
オービスが光ったことに気づかない?!
オービスを光らせた経験のある人は、オービスが光った瞬間は絶対に気がつくと口をそろえて証言します。
オービスが本当に光ったか、微妙なときはどうでしょうか?
他のクルマのヘッドライトなどが反射して、オービスの光と見分けがつかなくなったことも考えられますね。
もしオービスを光らせたとすると、早ければ2日、遅くても2ヶ月後には警察から出頭通知書が届きます。
オービスが光る瞬間って?
オービスは光ったかわからないような光量ではなく、視界が真っ赤に感じるほどの状況です。
ストロボの色は、オービスのタイプによって異なりますが、赤色か白色で点灯されて高速度カメラによって撮影されます。
スピード違反でオービスを光らせてしまうと赤キップがきられ、一発で免許停止となるので注意しましょう。
この赤キップは悪質な交通違反者に対して交付されるもので、刑事罰の対象にも。
オービスって昼間でも気づく?
そもそもオービスの光は、運転者にオービスの存在を認識させることで、速度を落とさせる狙いがあると言われています。
なので昼間でもオービスのフラッシュに気づくようにしていると考えられます。
オービスが光ったか不安、、セーフってある?
オービスにはいくつか種類があります。
古いタイプのオービスであれば、フィルムを使っているのでフィルム切れで助かる場合もあったようです。
ただ設置数は減少傾向にあるので、オービスを光らせてセーフになる確率は低いでしょう。
まとめ
- オービスは一般道奈良30km/h以上、高速道路なら40km/h以上の超過で光る可能性がある
- 超過速度が15km/h未満だと光らない可能性の方が高い
- オービスから逃れる方法は警告看板を見逃さないこと
- オービスを光らせてしまったら免停になる可能性が高い
- 周囲の流れに合わせて、飛ばしすぎないことが大事