スタッドレスタイヤの寿命は年数?距離?雪道初心者でも長く使える秘訣

スタッドレスタイヤは冬用タイヤなので、地域や気候によって1年通して履き続けるノーマルタイヤよりも、はるかに寿命が長そうな気がしますよね。

ところが冬用タイヤだからと長く履けそうだと油断すると、かえって寿命は短くなります。

スタッドレスタイヤは走行距離や年数に関係なく経年劣化による寿命がくるので、タイヤに現れるメッセージを見逃してはいけません。

また保管状態に気をつければ、1シーズンでも長く寿命を延ばすことができます。

タイヤは安い買い物ではないので、スタッドレスタイヤの寿命を判断するサインと、長く使うための秘訣を知って高いコスパを発揮しましょう。

目次

スタッドレスタイヤの寿命の見分け方

スタッドレスタイヤは凍結路面など特殊な環境で使用するので、経年劣化による寿命を年数や走行距離などの絶対的な数値で判断するのは危険です。

寿命は目に見える具体的な情報で判断できます。

寿命の見分け方

スタッドレスタイヤの溝の深さ

ノーマルタイヤでは溝の深さが1.6mmになるとスリップサインが現れ、寿命が到来したことを示しますが、スタッドレスタイヤの場合は「プラットホーム」と呼ばれるギザギザの形をした突起が寿命を示します。

スタッドレスは溝が新品の状態と比べて50パーセント摩耗すると、本来の能力が大きく失われて危険性が増します。

「プラットホーム」が溝の深さと同じになるまで摩耗すると寿命なのです。

ゴムの柔らかさ

スタッドレスタイヤはノーマルタイヤより柔らかいゴムでできているので、雪道の運転でもグリップ性能をしっかり保っています。

ところが製造から3年くらいでゴムが少しずつ硬くなり、グリップ性能が落ちて冬用タイヤとしての性能が低下します。

スタッドレスタイヤは柔らかい分、経年劣化によるゴムの硬化は予想以上に早く進行します。

タイヤの硬さは点検のとき、ガソリンスタンドなどでタイヤの硬度計で調べてもらうことができます。硬度計の数値が60くらいを示すと、交換の目安です。

タイヤの空気圧と一緒にチェックしてもらいましょう。

使用年数でゴムの劣化がすすむ

タイヤは車を走らせなくても劣化するので、保管状態も大事です。

長い間駐車状態で放置すると、紫外線や酸性雨などの自然環境がタイヤのゴムに悪い影響を与えます。

使用年数は目安であって絶対ではありませんが、年数が経つほど目に見えない経年劣化が起きています。

走行距離の目安ってある?

スタッドレスタイヤの寿命として、点検のとき交換してからの走行距離は一つの目安になります。

タイヤを交換してから15,000キロくらい走ると、プラットホームが目立ってくる傾向はありますが、使用条件はそれぞれの車で違いがあります。

一定の走行距離を走れば、一概に寿命がきたと断言することはできません。

タイヤの表面に現れる客観的な情報で判断しましょう。

タイヤの傷やひび割れをチェック

スタッドレスタイヤは使用条件や保管状態に違いがあるので、寿命を判断するにはタイヤの傷やひび割れなど、目に見える状況が参考になります。

傷やひび割れは、目に見えない深刻なダメージが起きているメッセージを発しています。

傷やひび割れが起きていると、溝がどれだけ深く残っていてもタイヤを交換した方がよいので、ぜひ入念にチェックしましょう。
  

何年くらいゴムの柔らかさは持つの?

ゴムの柔らかさは2年くらい持つといわれていますが、注意が必要なのは履き替えてからの年数ではなく、タイヤが製造されてからの年数なので、タイヤの製造時期を把握する必要があります。

車を走らせなくても、環境や年数の経過でタイヤの劣化が進む可能性があります。

またタイヤによって、ゴムの柔らかさは製造当初から違う場合もあるのです。

タイヤの劣化

製造年をチェックしよう

タイヤの製造年は、サイドウォールに製造時期を示す数字が刻印されています。これにより、交換時期が把握できます。

寿命の目安として年月の経過が参考になりますが、タイヤのサイドウォールに製造時期を示す数字が刻印されています。

例えば「3518」と刻印があれば、2018年の第35週に製造されたことを示しています。

目に見える劣化がなければ製造から3年、長くても5年くらいをめどに交換します。

ゴムの柔らかさで制動距離に違いがでる!?

雪道やシャーベット状の路面ではあまり差は出ませんが、凍結路面ではゴムの柔らかさによる氷上ブレーキ性能の差が顕著に現れます。

年数があまり経っていないスタッドレスタイヤならともかく、製造から5年以上経ったタイヤでは、氷上ブレーキ性能が低下し、凍結路面ではスリップの危険性が大きくなります。

凍結路面を走ることが多いときは、柔らかさをチェックして予め交換しましょう。

スタッドレスタイヤと夏タイヤの違いは?

スタッドレスタイヤは気温が低い状況でもグリップ性能を確保するため、柔らかくできていて溝も深く多いのが特徴です。

夏タイヤは高温の過酷な環境でも走行性能を発揮できるよう、硬いゴムでつくられている違いがあります。

夏タイヤの違い

スタッドレスタイヤは雨に弱い

スタッドレスタイヤは雪道や凍結路面を想定して、溝が深く多い構造で路面をガッチリ噛んでグリップ性能を確保します。

雨の舗装路を長い間走る走行性能ではないので、排水がうまくできずウエット路面を噛まないのでブレーキ距離が伸びてしまいます。

冬の天候の変化による一時的なウエット路面は、ダメということはありませんが、梅雨時や台風シーズンの舗装路で使うタイヤではないのです。

  

高速走行にも弱い

スタッドレスタイヤは柔らかくできているので、ゴムがたわみやすいために極端な高速走行には向きません。

舗装路で高速走行を長時間続けるとタイヤ全体が熱を帯びてきますが、極寒の状況で走行性能を発揮するスタッドレスタイヤは、熱には強くありません。

調子に乗ってアクセルを踏み続けると、バーストする危険性が大きくなります。
  

スタッドレスタイヤを夏に使用しても大丈夫?

スタッドレスタイヤを夏に使用してはいけないという法律はありません。

しかし、夏に使用するとロードノイズがうるさくなったり、カーブの走行安定性が悪くなったり、様々なデメリットが出ます。また燃費もリッター1キロ以上悪化します。

夏場の高温環境で使用するとトレッド面の偏摩耗が早くなり、ブレーキ距離も伸びます。

大げさではなく、夏場はノーマルタイヤの走行性能にも及びません。

あくまでノーマルタイヤの代用品として短距離を走るくらいなら大丈夫です。
  

スタッドレスタイヤ選びのポイント

スタッドレスタイヤを買い替えるとき、ネットで売られているタイヤや安い国産品を上手に見極めれば、コストパフォーマンスに優れた使い方が可能です。

選び方をチェックしてみましょう。

スタッドレスタイヤ選び

ネットで格安品を購入するときには注意!

タイヤショップなどで売られている格安品は、製造時期が相当経過しているために安く売っている可能性があります。

せっかく買い替えてもすぐに寿命が来てしまったり、事故の可能性もあったりとリスクがあります。

また1本ずつ独立してではなく、4本まとめて売っていることがあり、かえって高くついてしまうケースもあるので、ネットの格安品は考えものです。
  

短期間の使用なら安い国産品がおすすめ

安いスタッドレスタイヤを短期間使用するなら、国産のタイヤメーカーはおすすめです。

サラサラした雪を想定した海外のタイヤは、水分が多くて重い日本の雪に氷上ブレーキ性能が合いません。どんなに安くても、やめた方がよいですね。

「郷に入れば郷に従え」ではありませんが、日本の道と気候を知り尽くした国内のタイヤメーカーが安心して使えます。

  

旧モデルはコスパ最高

タイヤも実は毎年モデルチェンジを繰り返し、シーズンを経過すると古い商品になります。

最新モデルは安く売るわけにいかないので、タイヤメーカーは旧モデルを併売しています。

スタッドレスタイヤは古くなると性能に不安がありますが、少し前まで最新モデルで高性能と宣伝して売っていたタイヤです。一気に性能が落ちるわけではありません。

今シーズンモデルは高くて手が届かなくても、若干型落ちした旧モデルへの買い替えは信頼性十分です。
  

スタッドレスタイヤを長く使うためのポイントとは

スタッドレスタイヤを長く使うためには、ゴムを硬くならないように気をつけることです。

ゴムは車を走らせなくても硬くなるので、保管状態に気をつけて紫外線や雨を避ければ寿命を延ばすことができます。

またスタッドレスタイヤをシーズンが過ぎても履き続けると、本来の性能に合わない環境で酷使を続けるのでタイヤの劣化が早く進みます。

シーズンを過ぎたら早めに交換しましょう。

交換したあとは紫外線や雨を避けて風通しのよい場所に保管します。頻繁に着脱するとホイールが変形したり、タイヤの劣化を早めるので、そのままの方がよいでしょう。

保管状態さえよければ、1シーズンは長く使うことができます。
  

まとめ

タイヤは車を走らせなくても劣化するので、意外と早く寿命が到来します。

春が訪れると交換するのでそれほど酷使しないように思っても、保管している間にゴムが硬くなって徐々に性能が低下します。

保管中の紫外線や雨にも注意すれば、寿命が延びます。

スタッドレスタイヤを買い替えるときは、国産のタイヤメーカーや少し型落ちした旧モデルでも信頼性は十分です。

保管状態に気をつけて使えば高いコストパフォーマンスが期待できますよ。

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この記事を書いた人

ブーまる編集部では、実際に車を売ったり買ったり、自分で直してみたり「やってみた」を大事にしています。中古車系記事の監修は、一般社団法人日本リユース業協会の実施するリユース検定に合格した「リユース営業士」が行っています。整備記事の一部は、現役ディーラーマンが監修や執筆を行っています。

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